たしかにガイドのインスタ画像を見ると、シンプルカラーのインテリアにサークルがアクセントになって、韓流ドラマのヒロインが泣いていそうな部屋になるから不思議。ほかに、フェイクグリーンや間接照明のシェードランプ、キャンドルなどが、韓国デザインの頻出アイテムとなっているという。

 ブランドで言えば、シンプル&ナチュラルな北欧デザインのIKEAのグッズは、文句なく相性抜群。VAMIRなど韓国ブランドのラタン素材の家具や、白くてシンプルな家電で知られるバルミューダなども、ガイドのおすすめブランドとなっている。

「ほかに最近、白やウッドなどの基本色を邪魔しないアイテムとして人気なのは、インスタグラムから火がついたスケルトンのパイプ椅子。もうひとつ私のインスタでも、ものすごく反響があったのが、こちらです」

 そう言ってガイドが見せてくれたのは、ガイドの部屋にも掛かっているファブリックポスターだ。その名の通り、壁に掛けたときの風合いがナチュラルな、布製のポスターのことを言う。

 そのなかでも、とくにシンプルな韓国デザインと相性がいいのが、フランスの画家、アンリ・マティスのデッサンや版画をモチーフにしたファブリックポスターだという。

 ガイドのアドバイスで、自分の家の寝室を韓国風に変えてみたところ、消臭スプレーやポケットティッシュで殺風景だった自分の家のベッドサイドが、壁にマティスのポストカードを貼っただけで一変。80%くらい洗練されてしまった。

 ちなみに新しい寝室には花も添えており、チューリップも韓国デザインの必需品。すでにシーズンアウトしているので、別の黄色い花で代用するなどして、生活臭のない大人のベッドサイドに仕上がった。

■白い壁にドラマを投影

 韓国のエンターテインメントがきっかけになり、韓国デザインに魅了されたというガイド。そこで相談してみた。そのエンターテインメントは、妄想トリップにどうやって採り入れたらいいでしょう。

「部屋の雰囲気を壊さず、シンプルに、しかも大迫力で好きなPVやドラマが見られるようにと買ったのが、popIn Aladdin(ポップイン アラジン)というプロジェクターです。部屋の照明部分に取り付けるプロジェクターなので、場所を取らずに大画面映像を楽しめます」

 白い壁に投影したドラマの大画面映像をBGM代わりに一日中流しておき、好きな場面になったらじっくり見る。そんな方法で何十ターンも韓国のドラマを楽しむのが、ガイドの飛びきりの妄想トリップだそうだ。(ライター・福光恵)

AERA 2021年7月5日号