2032年五輪開催地に内定した「豪ブリスベン」 11年先のリスクに不安の声も (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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2032年五輪開催地に内定した「豪ブリスベン」 11年先のリスクに不安の声も

柳沢有紀夫AERA
サッカー決勝の会場となるサンコープ・スタジアム。中央駅から2駅、その後徒歩7分という最高の立地だ(撮影/柳沢有紀夫)

サッカー決勝の会場となるサンコープ・スタジアム。中央駅から2駅、その後徒歩7分という最高の立地だ(撮影/柳沢有紀夫)

対岸から望むブリスベン市の中心部(撮影/柳沢有紀夫)

対岸から望むブリスベン市の中心部(撮影/柳沢有紀夫)

選手村予定地はかつてのコンテナ集積場。一部は屋台村になっているが、多くは空き地だ(撮影/柳沢有紀夫)

選手村予定地はかつてのコンテナ集積場。一部は屋台村になっているが、多くは空き地だ(撮影/柳沢有紀夫)

 コロナ禍での五輪開催に賛否の声が挙がるのは東京だけではない。2032年の開催地に内定したオーストラリア・ブリスベンも同様だ。AERA 2021年6月28日号から。

【写真】対岸から望むブリスベン市の中心部

*  *  *
 2032年夏季五輪・パラリンピックの開催地がオーストラリア第3の都市ブリスベンに内定した。7月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定する見込みだ。通常は7年前の総会なのに今回は11年前。しかも2月の段階でIOCから「最有力候補」との「お墨付き」をもらうという不可思議な状況だ。

 新型コロナウイルスのパンデミックの渦中に開かれる東京五輪では、多額のお金をつぎ込んで準備しながら、開催の是非に揺れ、開催しても経済的な効果は不透明という「開催地リスク」が明らかになった。通常通り今から4年後に決定するのではリスクがより鮮明になり、立候補を取りやめる都市が増えるため、IOC側は青田買い的に一本釣りしたのではとも言われる。

■都市規模が小さすぎる

 ではブリスベンの人たちは、このパンデミック下の決定をどう感じているのか。

 50代男性のテランスさんは手放しの喜びよう。

「1956年にはメルボルン、2000年にはシドニー。オーストラリアの2大都市ですでに開催されている夏季オリンピックが第3の都市ブリスベンで開催されるのは本当に喜ばしい。観光業や飲食業も成長するでしょうし、鉄道などのインフラ整備もますます進むはずです」

 4児の父親である48歳のジェイソンさんも同様の賛成派だ。

「最高レベルのアスリートたちの真剣勝負を間近に見られるまたとないチャンスですし、テレビゲームなどの影響でスポーツ離れが進む子どもたちが興味を取り戻す最高の機会になるでしょう」

 浮かれるのには理由がある。ブリスベンは感染拡大防止に今のところ成功し、何カ月も新規市中感染者がゼロで、マスクの必要もない「コロナ前」の日々が戻っている。

 一方、20代女性でフリーライターのボニーさんは「オリンピックに限らずスポーツイベントにお金を費やすのはそもそも反対」。50代女性のメアリーさんは「オーストラリアは新型コロナウイルスの被害を最も受けなかった国の一つですが、変異株など、先が見えない中、11年も先の開催を背負ってしまうのはどうでしょうか」と心配顔だ。


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