いい波に恵まれていることから、サーファーの移住先として注目度が高い。首都圏だと湘南が定番だが、持ち家にしろ賃貸にしろ、こちらがはるかに安いので、若い世代に支持されている。宝島社の「住みたい田舎ランキング」では、5年連続で首都圏エリア第1位を獲得した。

■移住で最大500万円

 さらに山田川周辺には「源氏ぼたるの里」があり、天の川を見渡せる星空の美しさでも定評がある。大原漁港では伊勢エビ、タコ、サザエ、アワビ、タイが水揚げされる。学校給食に使用されるコメは全量無農薬で、これは全国初。農業も盛んで、いたるところに販売所がある。先の飯能市と同様、最大100万円の移住支援金の対象だ。

 関西の奥座敷・福井県では、移住者にも巨額の補助金を出す自治体が注目を集める。

 県中央部の池田町は、農業が盛んな山あいにある。キャンプ場やスキー場もあり、アウトドア派にはこのうえない環境だ。やはり過疎化が進んでいるため、人口増加が喫緊の課題。そんな町が打ち出したのは、45歳以下の人が2世代以上の家族と同居するために家を新築したり改築したりすると、最大500万円が支給される制度だ。21年度については6月以降に決定する。条件はやや厳しめだが、結婚やUターンを機に移住を考えてもよいかもしれない。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

AERA 2021年5月31日号より抜粋