国にも地方創生のための起業支援金や移住支援金制度がある。起業支援金は東京圏外の道府県か東京圏内の「条件不利地域」で、社会的起業を行うことが条件。条件不利地域とは過疎が進んだ地域などを指す。移住支援金は一定期間東京23区内に居住か勤務している人が、東京圏外か東京圏内の条件不利地域に移住し、起業や就業する場合が対象だ。

 また、21年度からコロナ禍の在宅勤務の増加にも対応。例えば東京の会社に籍を置いたまま地方に移住する場合でも、支給の対象になった。ただし、実施状況は自治体によって異なるので、事前に確認しておきたい。

 その「条件不利地域」の一つ、埼玉県飯能市は首都圏在住者におすすめの街だ。

 西武池袋線の飯能駅から池袋駅まで急行で46~48分。有料の特急なら40分しかかからず、都心まで通勤・通学している人は少なくない。市内は緑豊かな丘陵地帯が広がり、「地方」の趣が残る街でもある。

■「半農ライフ」を支援

 移住者にもやさしい。東京23区などから転居してテレワーク等をする人は、先の支援金の対象になる。さらに子どもの中学卒業まで医療費を助成するなど住民サービスが充実している。また移住者向けのサポートとして、(1)農業体験参加型(2)家庭菜園型(3)農園利用型(4)本格的な農地利用型のプログラムを用意。「半農ライフ」を満喫する仕組みもバッチリだ。

 自然を生かした施設も充実している。1997年に開業した「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」は、豊かな森の中に「ムーミン」の作者の世界観を体現。19年にはテーマパーク「ムーミンバレーパーク」ができた。子どもの情操教育にはもってこいではないだろうか。

 移住先で思い通りの住宅を建ててみるのも夢だろう。

 海の近くで家を探すなら、千葉県いすみ市が人気だ。房総半島の東南部にあるため、東京から遠いイメージがあるかもしれないが、JRの特急なら70分ほど。ラクに日帰りもできる。

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