早期収束にはワクチン「高齢者と現役世代の並行接種」の検討必要 専門家が指摘 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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早期収束にはワクチン「高齢者と現役世代の並行接種」の検討必要 専門家が指摘

渡辺豪AERA
※写真はイメージ(gettyimages)

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AERA 2021年4月26日号より

AERA 2021年4月26日号より

 欧米のワクチン接種ペースの速さが際立つ中、日本は高齢者への接種が始まったばかりだ。早期収束に向かうためには、接種体制を見直すべきだと指摘する専門家もいる。AERA 2021年4月26日号から。

※【日本の集団免疫の獲得は「来年3月以降」 「4波」「人手確保」ワクチン接種の課題に】より続く

【図を見る】日本のワクチン普及率の想定はコチラ

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 米国内での新型コロナワクチン接種について、バイデン米大統領は4月6日、18歳以上のすべての成人を19日から接種対象にすると発表。5月1日までに対象を広げるのを目指していたが、接種が順調に進んでいることから計画を前倒しした。

■戦時対応が明暗分ける

 元外務省職員で感染症内科医の古閑比斗志さん(60)は米国のワクチン対応の速さについて、「戦時対応」で進められたのが要因と指摘する。

 トランプ前大統領は新型コロナのワクチン開発を加速させるため、「ワープ・スピード作戦」を実施。約100億ドル(約1兆700億円)をつぎ込み、官民連携で早期開発を図った。また、ワクチンの緊急使用許可(EUA)を迅速に進めるようホワイトハウスが米食品医薬品局(FDA)に圧力をかけたことも早期実用化につながった。

「トランプ前大統領が米疾病対策センター(CDC)の予算を削ってしまっていたため、米国は感染拡大の初期段階の対応が遅れました。しかしその後、『新型コロナと闘っているんだ』という認識のもと、戦時対応に切り替えたため一気に巻き返したのです」(古閑さん)

 第2次世界大戦後に国防総省のマラリア対策部門の後継機関として発足したCDCは、軍との関係も強い。大統領権限が強い米国とは政治体制や法体系の違いもあるが、日本では「平時対応の延長線」のまま後手対応が目立った、と古閑さんは言う。

「危機対応と捉え、首相が号令をかければ米国のような動きもできたと思いますが、現状は平時対応の延長線上のレベル。これでは役所もスピード感のある対応はできません」

■並行接種の検討が必要

 ただ、「米国式のワープ・スピード作戦は日本にはなじまない」とも指摘する。日本人には「ワクチンは安心安全であることが絶対要件」との意識が根強いからだ。古閑さんは言う。


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