世界最大の魚は、皆さんよくご存じの「ジンベエザメ」で、10メートル以上にもなりますので、その差は1千倍以上……。


 
 この魚が発見されたのは2006年なんですが、それまで最小の魚と言われていたのが、日本の紀伊半島以南に生息している、「ゴマハゼ」です。「ゴマハゼ」の成魚は、1センチから1.5センチ程度です。

 世界最小の「ドワーフ・フェアリー・ミノー」ですが、もうひとつ世界一の称号をもつすごい魚なんです。それは、最も酸性の強い環境に生息している魚ということなんです。

 この「ドワーフ・フェアリー・ミノー」が生息している、インドネシアのスマトラ島の泥湿地帯は、なんとPH値が3程度とのこと。通常の海水のPH値は8程度の弱アルカリ性になっており、日本の河川のPH値は、6.0~8.5程度ですので、その半分以下のPH値の水の中で生きているんですね。

 我々の周辺にある食べ物で、pH3程度のものと言えば、グレープフルーツ果汁が3.2、黒酢が3.1、人気の缶チューハイ「ストロングゼロ(ダブルレモン)」が2.9と言われていますので、かなり酸っぱいというか、強烈ですよね。

 余談になりますが、酸性度が強いと必ずしも酸っぱいというわけではなく、例えば、コカ・コーラのpHは2.2程度ですが、酸っぱくはないですよね。このあたりの詳しい解説は、飲料メーカーの方に任せたいと思います。

 実は日本にも、この「小人のような妖精っぽい小魚」に負けないくらい強い酸性の水の中に生息している魚がいます。イタコで有名な恐山にある宇曽利湖のpH値は3.5となっていて、その湖にウグイが生息しているとのことです。

 ウグイはエラの細胞を変化させたり増殖させたりして、体内で中和剤となる物質を生成することができるので、こうした環境下でも生きていけるとのことです。

 ということは、「小人のような妖精っぽい小魚」も、そうした特別な技を持っているということなんでしょうね。
 

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機器にふれることなく