■トークのシェアで改善

「音声データの一部を切り出して簡単に送れるので、うまくいったトーク、うまくいかなかったトークを皆が率先してシェアするようになりました。具体的な改善ポイントがわかって、スランプから抜け出した人もいます」(同)

 業種や商材によってバラつきはあるが、レブコムの會田武史代表取締役によると、成約率が高まる共通のポイントは以下の四つだ。

 まず、会話の速度は「相手の速度のプラスマイナス10%以内」が良い。営業担当者が話す時間と聞く時間の比率「トーク:リッスン比率」は一般的には4:6がベスト。会話のかぶりはゼロに近い方が良い。そして前出の横田さんも指摘した「沈黙の回数」も重要だという。

 ちなみに、前出のコグニティは、オンライン商談特有の傾向を確認するための「テレ検」というサービスで、会話の解析をしてくれる。商談用ではあるが、記者の取材についても解析してもらった。取材相手よりも話す割合が多い、「あの」「その」などの指示語や「えーと」などのフィラーの出現回数など、自分ではなかなか気づけない取材のクセを発見できた。(編集部・石臥薫子)

AERA 2021年3月22日号より抜粋