菅政権が小野氏を内閣広報官に起用した狙い 腹心よりも「批判への盾」か? (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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菅政権が小野氏を内閣広報官に起用した狙い 腹心よりも「批判への盾」か?

牧野愛博AERA
小野氏は1988年に外務省入省。ASEAN日本代表部次席公使などを歴任。夫も外交官で、2人で協力して子育てをしてきたと語っている (c)朝日新聞社

小野氏は1988年に外務省入省。ASEAN日本代表部次席公使などを歴任。夫も外交官で、2人で協力して子育てをしてきたと語っている (c)朝日新聞社

 菅義偉首相の長男をめぐる接待問題で山田真貴子・内閣広報官が辞職。後任に外務省の小野日子氏が就任した。新内閣広報官に期待される役割とは。AERA 2021年3月22日号から。

【写真】アッキーの両隣に座る小野日子内閣報道官と前任の山田真貴子氏はこちら

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 体調不良を理由に辞職した山田真貴子氏に続く、2人目の女性内閣広報官が就任した。外務省の小野日子(ひかりこ)外務副報道官(55)だ。過去、内閣広報官という役回りは、時の政権によって大きく変化してきた。

■安倍政権で役割が変化

 内閣広報官は、政府の広報戦略を担う特別職の国家公務員。次官級の扱いで、「上がりポストで、時の官邸と親しい官僚が起用されてきた」(政府関係者)。内閣広報官は長らく、目立たない存在だった。首相の記者会見で司会はするが、発言内容の準備に踏み込むことはほとんどなかった。関係者の一人は「外遊の際の記者会見なら、外務省報道課長と同省出身の総理秘書官が主導して、総理の発言を調整していた。広報官は同席するだけだった」と証言する。

 まるで盲腸のような存在だった内閣広報官の役割が大きく変わったのが、第2次安倍政権(2012~20年)だった。経済産業省出身の長谷川栄一氏が首相補佐官兼内閣広報官に就任。長谷川氏は20年12月、「桜を見る会」の問題で安倍晋三前首相が記者会見を開いたときに司会役を務めるなど、官僚というよりも、安倍氏の腹心という印象が強かった。

 長谷川氏が手がけた仕事の一つが、中国や韓国との間で起きた歴史認識問題だった。関係者によれば、長谷川氏は、安倍氏が望む政治的な主張に沿った様々な論文を外国語に翻訳させ、慰安婦を象徴する少女像の設置を巡って騒ぎになった海外の政府や自治体などに配布するよう指示。関係者の一人は「当時、歴史認識問題への対応は、長谷川氏への相談抜きには進まなかった」と証言する。

■スピンドクターの不在

 現在、菅政権と安倍政権との違いを巡る霞が関界隈の評価の一つが、スピンドクターの有無だ。スピンドクターとは、論点をずらしたり、自分に有利な証拠ばかりを示したりする行動(スピン)をうまくこなせる人を指す言葉だ。


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