クラスター発生の病院院長が告白 「消毒漏れ」は防ぎきれない 院内感染が止まない理由 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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クラスター発生の病院院長が告白 「消毒漏れ」は防ぎきれない 院内感染が止まない理由

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井上由紀子AERA#新型コロナウイルス#病院
青梅市立総合病院院長 大友建一郎医師(59)/東京医科歯科大学卒業。1999年から同病院に勤務、循環器内科部長、地域連携室長として地域医療に努め、2019年1月から現職(撮影/井上有紀子)

青梅市立総合病院院長 大友建一郎医師(59)/東京医科歯科大学卒業。1999年から同病院に勤務、循環器内科部長、地域連携室長として地域医療に努め、2019年1月から現職(撮影/井上有紀子)

旭川厚生病院では、11月下旬、院内感染が発生。12月10日時点で患者や職員含む258人が新型コロナウイルスに感染した (c)朝日新聞社

旭川厚生病院では、11月下旬、院内感染が発生。12月10日時点で患者や職員含む258人が新型コロナウイルスに感染した (c)朝日新聞社

AERA 2020年12月21日号より

AERA 2020年12月21日号より

 大規模な院内感染が相次いで報じられている。背景には、努力では防ぎようのない事情がある。AERA 2020年12月21日号で、8月にクラスターが発生した東京・青梅市立総合病院の院長が語った。

【院内感染が発生した主な病院はこちら】

*  *  *
 新型コロナウイルスが猛威を振るう北海道で、院内感染が相次いでいる。旭川市の旭川厚生病院で250人を超える国内最大の院内感染が起きた。同市の吉田病院では200人を超え、自衛隊の看護師が支援に入った。

 冬は気温や湿度が下がり、夏より感染リスクが高いとされる。

 道内の病院へアドバイスしている感染症コンサルタントの岸田直樹医師(北海道科学大学客員教授)はこう話す。

「コロナ患者でないと思われていた複数の患者の感染が一気に判明したり、職員がウイルスを院内に持ち込んだり、さまざまな要因が絡み、院内感染がメガクラスター化しています」

 新型コロナを警戒し、感染症対策を徹底しているはずの病院で、なぜ感染が起こるのか。

「感染症の専門知識を持つ医師も認定看護師もいます。新型コロナが入り込んだとしても、院内感染は防げると思っていました」

 今年8月末に院内感染に見舞われた東京都青梅市の青梅市立総合病院の大友建一郎院長(59)はこう振り返った。

 多摩地域と西東京の医療を担う同病院は、感染症指定病院でもある。新型コロナ感染患者も受け入れてきた。大友院長は、取材に応じた理由をこう話す。

「院内感染について、地域の基幹病院として住民からお叱りを受けることもありました。職員たちの不安の声も聞きました。何が起こったのかをお話しすべきと考えました」

■入院時のPCRで陰性

 院内感染クラスターは、予想外のところからはじまった。

「最初に感染がわかったのは、免疫抑制剤や抗がん剤を使用する内科の入院患者でした。8月26日でした」(大友院長)

 多くの病院では、病院に新型コロナを入れることを防ぐため、患者の入院前にPCR検査を行う。同病院も入院時にPCR検査を実施しており、この患者も陰性だった。

「発熱があり、当初はCT検査の結果から熱中症と誤嚥性(ごえんせい)肺炎と診断しました。コロナ感染を疑っていませんでした」

 だが、入院1週間後、患者が新型コロナ感染者の濃厚接触者だったことが判明。再度PCR検査を行ったところ、3回目でようやく陽性が判明した。


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