撮影/写真部・加藤夏子
撮影/写真部・加藤夏子
石原新菜(いしはら・にいな、40)/イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。東洋医学に基づく治療を行う(写真:本人提供)
石原新菜(いしはら・にいな、40)/イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。東洋医学に基づく治療を行う(写真:本人提供)

 アエラに今年1月に掲載されて以来、反響を呼んでいる「脂肪燃焼スープ」。AERA 2020年12月7日号は、東洋医学にも詳しい医学的見地からの話を石原新菜医師に聞いた。

【「和洋中3種の脂肪燃焼スープ」レシピはこちら】

※【大反響「脂肪燃焼スープ」が進化! よりおいしく+効果アップ+和洋中3種類で飽き知らず】より続く

*  *  *

 イシハラクリニック副院長の医師、石原新菜さんは体をあたためて健康を促進する「しょうが紅茶」を世に広めた石原結實医師の長女でもある。

 石原さんが診療のベースにしているのは東洋医学だ。日本の医療の主流は科学的なデータを裏付けとする西洋医学だが、体をあたためるという概念がない。東洋医学では体温を重要視し、冷えや平熱の低下は万病の元と考える点が西洋とは異なる。

「人体や自然界の事象を五つに分ける五行理論が東洋医学の基礎となります。温度については低い順から『寒・涼・平・温・熱』という区分がありますが、脂肪燃焼スープのレシピを拝見しますと、『温』と『熱』に属す食材がちゃんと使われていますね。熱いスープの状態で食べて体をあたためるのも理にかなっています。脂肪を『燃焼』するという表現は、体内で脂肪がゴーゴーと燃えているのとは少し異なりますが、あたためることでダイエットを促進しているのは間違いないでしょう」

 石原さんも、スープに使う食材としてしょうが、にんにく、ねぎ、ニラ、玉ねぎなどを推す。血栓を改善し、血中脂肪を燃焼させ、血糖値を下げる効果も期待できるという。

 スープだけでなく、ふだんの飲み物も「できるだけあたたかいものを」と石原さん。しょうが紅茶に入れるしょうがは、チューブでも粉末でもいい。シナモンを入れたチャイ、糖分控えめのココアもおすすめだ。

「シナモンは漢方名で桂皮とも言われ、漢方薬など薬の材料にも使われています」

 甘味を入れたければ、黒砂糖やはちみつなど、できるだけ精製されていないものを使えばビタミン群も一緒にとれる。

「ダイエットには白湯もいいと言われますが、せっかくなら白湯にシナモンやしょうが、しそ、梅干し、レモン汁、はちみつなどを加えた“ちょい足し白湯”に変えてみましょう」

(フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)

AERA 2020年12月7日号より抜粋