■起床/寒いと目覚めにくい

 起床2時間ほど前の午前4時。夕方から夜にかけてしっかり体温を上げた人は深部体温の下降カーブが深くなり、深い眠りが訪れている。ここから少しずつ体温が上がると自然に目が覚め、さわやかな朝の始まりだ。

 寒い日は体温の上昇を助けるために、起床1時間ほど前からエアコンのタイマーなどで部屋を暖めておくといいだろう。

 朝食を食べることも大切だ。中之条研究(東京都健康長寿医療センター研究所・青柳幸利氏)によると、朝食を食べる習慣がある人は起床時の体温が高く、就寝時の体温が低い。一方、朝食を抜きがちな人は起床時の体温が低く、就寝時の体温は高いまま。この結果からは、朝食を食べている人のほうが、朝の目覚めがよく、夜もしっかり眠れていると読み解ける。

「朝は食欲がわかない、という人は、まずは温かいスープや飲み物をとるとよいでしょう。直接内臓を温めるのが一番です」(菅原さん)

 起床4時間後には、脳の活動が最も活発になり、クリエイティブな作業に向いている時間帯がやってくる。

「起床4時間後に眠くなる場合は、睡眠の質が悪いか、睡眠が足りていない証拠です」

 反対に、脳がもっとも働かなくなるのが起床8時間後。6時起床の人なら14時だ。

「先手を打って、眠くなる時間帯の2時間前、昼の12時ごろ昼寝をしてしまうのもいいでしょう。15分以内の仮眠であれば夜の睡眠にも影響せず、頭がすっきりして午後の仕事がはかどります」

 睡眠不足気味、なんだか頭がぼんやりする、そんなときにはこの時間帯に仮眠をとっておくとよい。この後は再び、「絶対に寝てはいけない」時間帯が訪れるからだ。(編集部・小長光哲郎、ライター・熊谷わこ)

AERA 2020年11月23日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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