コロナ禍で「あーん」「もぐもぐ」がわからない子どもたち 保育や家庭でできること (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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コロナ禍で「あーん」「もぐもぐ」がわからない子どもたち 保育や家庭でできること

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大人たちがマスクを着けていて、口元の動きや表情がわからない。そんななか、「あーん」ができない、わからないケースが出てきたという(撮影/写真部・高野楓菜)

大人たちがマスクを着けていて、口元の動きや表情がわからない。そんななか、「あーん」ができない、わからないケースが出てきたという(撮影/写真部・高野楓菜)

AERA 2020年10月5日号より

AERA 2020年10月5日号より

 赤ちゃんが人間性の土台を作る乳児期に、マスクをした大人ばかりで表情が読めず、反応が薄い乳幼児が増加している。医療や保育の現場で、家庭で、どう健やかに子どもを育んでいくべきか。AERA2020年10月5日号から。

【家庭でできる乳幼児とのコミュニケーションはこちら】
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 保育現場でも懸念が高まっている。園長が集まる会合で、東京都目黒区保育課の大塚浩司課長はこんな話を聞いた。

「複数の園長から、『先生がマスクをしていると、怒っている、喜んでいるという感情が子どもに伝わらなくて心配だ』と意見が挙がっています」

 細部小児科クリニック(東京都文京区)の細部千晴院長(57)も乳児への影響を実感している。

「笑わない赤ちゃん、静かな赤ちゃんがコロナ禍に増えたと思います。マスクで表情が伝わりにくいのもそうですが、自粛が続き人との交流が減ってしまい、親も抑うつ気味で子どもとほほ笑み合う時間が減ったからではないかと思います」

 それだけではない。

「のどを診るとき、『あーん』と言っても、口を開けてくれない赤ちゃんが増えました。私がマスクの下であーんと口を開けても、赤ちゃんには見えていないし、学習していないからだと思います」(細部院長)

 台東区立たいとうこども園では、口の動きを伝えるために、独自の工夫を行っている。ある日のお昼どき、マスクをした保育士が、0歳児を膝に抱えておかゆを食べさせていた。スプーンでおかゆを取り、赤ちゃんの口に近づけた。

「アギアギするよ」

 保育士は目尻を下げて、うなずくように咀嚼(そしゃく)する動作をした。すると、子どもは保育士のマスクや目を見て、もぐもぐと噛み始めた。

 池田美恵子園長(41)は語る。

「口を使った動きは、おもちゃではなく、人との関わりのなかで獲得するものだと考えています。いまは、先生がマスクをしているので、乳児は模倣しにくい。食事中にうまく上あごでつぶせているか、飲み込めているか、いつも以上に気をつけて見ています」


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