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“米軍専用裏口”の懸念が現実に 沖縄基地でクラスター発生も「行動履歴非公表」で行政困惑

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半田滋AERA#新型コロナウイルス
新型コロナの感染が拡大している普天間基地 (c)朝日新聞社

新型コロナの感染が拡大している普天間基地 (c)朝日新聞社

 米軍は日本への出発前と到着後に14日間ずつ隔離しているというが、こうした対策が確実に実施されているならば、なぜ基地で感染者が急増しているのか。県や市が立ち入ろうにも、日米両政府によって基地は聖域化され、どうすることもできないのが現状だ。

 米軍が情報を出し渋るのは、米国防総省が感染者情報の詳細を非公表とするよう通達したことが原因だ。一方、日米両政府間には日米合同委員会の合意事項があり、米軍の医療機関が地元の保健所に通報し、防疫上の協力を行うことになっている。

 米軍は日米政府間の取り決めよりも米国防総省の通達を優先させていると考えるほかない。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、「米軍の医療機関と地元の保健所との間で必要な情報共有を行っている」と述べた。だが、「必要な情報共有」がなされていないから、沖縄県議会が10日に感染防止対策の徹底と米軍に情報開示を求める意見書と決議を満場一致で採択したのだ。

 あいまいな情報しか出さない在日米軍と比べ、在韓米軍は約70人にのぼる感染者の属性や行動履歴をホームページで明らかにしている。相手国政府の対応によって、米軍も出方を変えているのではないだろうか。

 沖縄で起きている米軍基地でのコロナ拡大問題は、もはや県レベルで対処できる範囲を超えている。日本政府が乗り出す時期を迎えているにもかかわらず、意図的なのか菅氏の認識は大きくズレている。基地を沖縄に押しつける日本政府が、米軍基地のコロナ禍まで沖縄に押しつけていいはずがない。(防衛ジャーナリスト・半田滋)

AERA 2020年7月27日号


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