韓国の対日政策は「場当たり的」 WTO提訴より「協議継続」が得策だった可能性 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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韓国の対日政策は「場当たり的」 WTO提訴より「協議継続」が得策だった可能性

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牧野愛博AERA
韓国大統領府の会議で、慰安婦について語る文在寅大統領/6月8日、ソウルで(写真:東亜日報)

韓国大統領府の会議で、慰安婦について語る文在寅大統領/6月8日、ソウルで(写真:東亜日報)

 韓国の対日政策は、WTO提訴再開、ユネスコに書簡送付と強硬姿勢が続いている。AERA 2020年7月13日号では、場当たり的ともとれるその背景に迫る。

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 3週間前に行われた日韓外相電話協議から何の進展もなく、懸案だけがまた一つ積み上がった。6月24日にテレビ会議方式で行われた滝崎成樹外務省アジア大洋州局長と、金丁漢(キムジョンハン)韓国外交省アジア太平洋局長によるやり取りのことだ。

 増えた懸案とは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を説明する日本の施設のことだ。日本は登録の際、「意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいた」ことに理解を深める措置を取ると表明していた。

 金氏は、同月15日から一般公開が始まった産業革命遺産を紹介する産業遺産情報センター(東京都新宿区)の展示内容に、朝鮮半島出身者への差別を否定する証言などが含まれているとして、是正を要求。韓国は世界遺産登録取り消しの可能性を含め、日本に是正を促すよう、協力と支持を求める書簡をユネスコに送付している。

 他方、滝崎氏は日本側の措置に問題はないと、韓国側の要求を突っぱねた。日本政府関係者は「炭鉱の仕事は過酷だったが、朝鮮半島出身者の証言や給与体系などをみると、差別があったとは言い切れない」と語る。その他は同月3日の茂木敏充外相と康京和(カンギョンファ)韓国外相との電話協議の焼き直しに終わった。

 滝崎氏は、日本による半導体などの素材3品目の韓国への輸出管理強化をめぐり、韓国が世界貿易機関(WTO)への提訴手続きの再開に踏み切ったことに抗議。金氏は、日本が輸出管理措置を巡る日韓協議に前向きでないとして、提訴再開はやむを得ない措置だと反論した。滝崎氏は、徴用工判決で、日本企業の韓国資産が現金化されれば、日韓関係は深刻な事態を招くと警告。金氏は深刻な事態に陥る認識はあるものの、司法に介入できないとの立場を伝えた。


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