小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中
小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中
5月7日、コロナ危機で困っているシングルマザーと子どもを支援する、「ひとりじゃないよプロジェクト」(https://www.hitorijanai.org/)が始動した(撮影/写真部・張溢文)
5月7日、コロナ危機で困っているシングルマザーと子どもを支援する、「ひとりじゃないよプロジェクト」(https://www.hitorijanai.org/)が始動した(撮影/写真部・張溢文)

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 もしかしたら、今こんな人がいるかもしれません。大きな声では言いづらいけれど、勤め先がコロナウイルスの影響を受けていないかむしろ好調で、お給料には全く響いておらず、政府の一律給付金は臨時収入。せっかくなので、経済を回すために何か買おうかなあ……と思案中ならぜひ、寄付を検討してみませんか。10万円のうち、無理のない額でいいのです。

 寄付はお金持ちがするものとは限りませんよね。小さい頃に赤い羽根募金とか緑の羽根募金とか、学校で参加した記憶が。ほんの少しでも、誰かの役に立つことができます。レジ横の募金箱に小銭を入れたことのある人も多いでしょう。災害の時などに有名人がまとまった額を寄付すると「売名行為だ」と言う人もいるけれど、そのお金で助かる人がいるならいいではないですか。それを見て、自分も寄付してみよう!と思い立つ人もいるはずです。善行は人に言わずに積んでもよし、家族や友達とお金を出し合って、応援したい団体に寄付するのもよし。

 阪神・淡路大震災の起きた1995年が、日本のボランティア元年だと言われています。大学4年生だった私も友人のつてで神戸に行き、兵庫県庁の地下にできた臨時のラジオ局でボランティアのアナウンサーをしました。その後、東日本大震災などの多くの災害で、たくさんのボランティアが活躍しています。でもコロナ危機では、外に出て一緒に活動することができません。だからこそ、困っている人に寄付を。これまで習慣のなかった人も、ネットで簡単に参加することができます。

 私も仲間と、コロナ危機で困っている女性と子どもたちを支援する団体に寄付を!と呼びかけるサイトを立ち上げました。ぜひ、皆さんの思いを力に変えてほしいです。

 2020年が日本の寄付元年になりますように!

AERA 2020年5月18日号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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