トロっとした触感と甘みが人気の甘エビのお寿司
トロっとした触感と甘みが人気の甘エビのお寿司

 我々日本人は世界でも有数のエビ好きの民族と言われており、結婚式やお正月などのお祝いの席には必ずと言っていいほどエビ料理が出てきますよね。もちろん、回転寿司でも人気のネタのひとつです。

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 お子様にはボイルしたエビが人気ですが、大人の方には生エビが人気です。プリプリした食感と口の中に広がるみずみずしい甘さが病みつきになるという方も多いのではないでしょうか。

 そして、もうひとつ忘れてはならないのが、甘エビです。口の中で溶けるようなトロッとした食感とともに広がる絶妙な甘みがたまらないという甘エビフリークは、筆者の知り合いにもたくさんいます。

 実は甘エビというのは通称で、正式には「ホッコクアカエビ」といいます。日本では島根県以北の日本海から宮城県以北、海外ではオホーツク海からベーリング海峡など北太平洋の水深200メートルから600メートルの深海に生息しています。高級食材のボタンエビなどと同じタラバエビ科に属するエビです。
 
 甘エビの寿命は11年程度と、大きさの割に意外と長生きなんです。生まれた時は全てオスで、5年から6年くらいでメスに性転換します。ですので、我々がお寿司などで食べている10センチ程度ものは、基本的にメスということになりますね。

 余談になりますが、エビの王様とも言うべきロブスターには寿命がなく、不老不死という説があります。一般的にエビなどの甲殻類は、脱皮を繰り返すことで成長していくんですが、ロブスターは、脱皮の際に内臓も一緒に入れ替わる、つまり、脱皮するたびに内臓も新しいものに入れ替わる(生まれ変わる)ので、永遠に生き続けることができるというのです。

 数年前まではこの説が広く信じられていましたが、脱皮で生まれ変わるのは一部の臓器だけで、心臓などは入れ替わらないということがわかり、今では他の生き物と同じく、老化していくという説が有力です。ロブスター不老不死説について、個人的には、神秘的で夢があって好きだったんですが……。

 ただ、過去には推定約140歳のロブスターが捕獲されたこともありますので、長生きということは事実のようですね。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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とれたての甘エビをすすめない理由とは?