死の隣にある「生」に焦点 イザベル・ユペール演じる「死期の迫った女優」のある一日 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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死の隣にある「生」に焦点 イザベル・ユペール演じる「死期の迫った女優」のある一日

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Isabelle Huppert/1953年、フランス・パリ出身。パリの国立高等演劇学校などで学び、72年に映画デビュー。代表作にミヒャエル・ハネケ監督「ピアニスト」(2001年)「愛、アムール」(12年)、フランソワ・オゾン監督「8人の女たち」(02年)など多数。最近の主演作にブノワ・ジャコー監督「エヴァ」(18年)、ニール・ジョーダン監督「グレタ GRETA」(同)などがある(写真:Guy Ferrandis / SBS Productions)

Isabelle Huppert/1953年、フランス・パリ出身。パリの国立高等演劇学校などで学び、72年に映画デビュー。代表作にミヒャエル・ハネケ監督「ピアニスト」(2001年)「愛、アムール」(12年)、フランソワ・オゾン監督「8人の女たち」(02年)など多数。最近の主演作にブノワ・ジャコー監督「エヴァ」(18年)、ニール・ジョーダン監督「グレタ GRETA」(同)などがある(写真:Guy Ferrandis / SBS Productions)

「ポルトガル、夏の終わり」/舞台となる世界遺産の町、シントラの美しい風景も見どころ。近日公開 (c)2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FURIA(c)2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions 

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「エル ELLE」/発売・販売元:ギャガ、価格1143円+税/DVD発売中 (c)2015 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS- TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION - FRANCE 2 CINEMA - ENTRE CHIEN ET LOUP

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 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。

【映画「ポルトガル、夏の終わり」の場面写真はこちら】

*  *  *
 早朝、ひとけのないプールに現れた女性。周りを気にするでもなく服を脱ぎ、そのまま水に飛び込んだ──。

 最新作「ポルトガル、夏の終わり」は、そんなハッとする場面から始まる。女性とはもちろんヒロイン・フランキーを演じるイザベル・ユペール(67)。60代にしてますます輝き、いまや女性の希望の星ともいえる存在だ。

「それはありがとう(笑)。私は年齢を重ねることに戸惑いや迷いを感じたことがないんです。みなさんは『不安だろうな』と想像するようだけど」

 ユペール演じる女優フランキーは、夫とポルトガルの世界遺産のシントラの町に休暇にやってくる。彼女は元夫や息子など家族や友人を呼び寄せていた。いったいなぜか。やがて観客はフランキーが死を間近にしていると知る。アイラ・サックス監督はユペールのために物語を書き下ろした。

「シナリオを読んだときはちょっと驚きました。死を扱っているけれどシリアスなだけでなく、一人の女性に近く訪れる死が周囲の人にどういう影響を与えるか、に焦点があたっているから。湖に小石を投げるとさまざまに波紋が生まれるでしょう? この映画はそんなイメージ。死を語りつつ“生”をも語っている点にオリジナリティーがある」

 集まった一族はそれぞれに問題を抱えているが、フランキーはおかまいなしに自分の亡き後を考え、人と人をつなげようとする。少々の傲慢さも魅力的なフランキーは、ユペール自身に重なって見える。

「そう見えるのは監督の手腕ね。もちろんフランキーとは『俳優』という共通点があるけれど、優れた監督は俳優が持っている“人間の本質”を引き出してくれる。だから役がリアルに見えるのでしょう。私は役に対していつもほぼ同じ取り組み方をするんです。それは『あまり深く考えない』こと。映画は自発性の芸術だと思っているから、『役を作り込む』よりも、撮影現場でその人物を生きることが大切だと考えています」


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