関西では不人気のかんぴょう巻
関西では不人気のかんぴょう巻
チョコミントアイスは関東では人気者
チョコミントアイスは関東では人気者
俵型のいなり寿司。元々は関東流
俵型のいなり寿司。元々は関東流

 いきなりですが、クイズです。

【写真】元々は関東流だった俵型のいなり寿司はこちら

「チョコミント」と「かんぴょう巻」、一見まったく関係のなさそうなこの二つの食べ物ですが、実は意外な共通点があるんです。何だかわかりますか?

 実は、どちらも関東地方では人気があるのに、関西ではいま一つ人気のない食べ物なんです。関東の方にとっては、「えっ、そうなの?どうして?」と不思議かもしれません。

 筆者は前職で食品メーカーに勤めていたのですが、チョコミントのアイスクリームは、関東では人気上位に必ず入る人気のフレーバーでした。ところが、関西では「歯磨き粉みたいな味や……」ということで、まったく人気がありませんでした。数年前から「チョコミン党」という造語もできて、全国的に人気が出てきましたが、それでも関東と関西では売れ行きに大きな差があるようです。

 もう一つの「かんぴょう巻」についてですが、当社のメニューにも「かんぴょう巻」という商品はあります。この「かんぴょう巻」は、関東(東日本)では、メニューから外すと結構な数のクレームをいただく隠れた人気商品なんですが、関西ではまったく売れないので、販売すらしていません。

 関西の人の多くは「かんぴょう巻」という商品になじみがないのかもしれません。関東では、お寿司の最後は「かんぴょう巻」で締めるという方も多いようです。

 このように、関西と関東で大きく好みが分かれる食べ物って他にも色々ありますよね。例えば、関西ではお寿司を食べる時に一緒に注文される方が多い「赤だし」ですが、実は関東では人気がなく、当社の関東のお店では販売していません。平日限定で販売している「海鮮丼」などのランチセットについてくるのも、関西では赤だしですが、関東では味噌汁になっています。関西生活が長い筆者としては、お寿司には「赤だし」なんですが。

 お寿司のネタでも、関西はハマチや鯛といった白身のネタが好まれるのに対して、関東ではやはりまぐろが圧倒的な人気です。関西の人たちが、新鮮な白身の歯ごたえを好むのに対して、関東の方々は、マグロや熟成魚のしっとりとしたうまみを好まれる傾向が強いようです。

 また、皆さんもよくご存じとは思いますが、しょうゆについても、関東と関西で違いがありますよね。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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「関東と関西」にとどまらない違いとは?