初出演となる連続テレビ小説「エール」の撮影も順調に進む。ドラマは昭和を代表する作曲家・古関裕而をモデルに、音楽と共に生きた夫婦の物語。山崎さんが演じるのは主人公・古山裕一(窪田正孝)の幼なじみ、佐藤久志だ。

山崎:朝ドラに出るのは、ミュージカル俳優で言えば帝劇に立つようなもの。役者の誰もが憧れる場所、夢のステージです。ドラマの世界に挑戦すると決めた時から朝ドラは一つの目標だったので出演が決まった時はものすごくうれしかった。しかも歌手役。自分のための役だなと思いました(笑)。音楽大学でクラシック音楽を勉強し、ずっと好きだったナンバーを歌うシーンがありますが、まさに自分がやってきたことすべてが生かされる。それを朝ドラでできるなんて、運命的なものを感じました。

 こういう時だからこそ、タイトルの通りみなさんが元気になるような作品になると思っています。残念なことに春の選抜高校野球は中止になってしまいましたが、僕は古関さんが作曲した「栄冠は君に輝く」を歌いたいですし、高校球児たちへの応援歌だと思って心を込めたい。みなさんに、もう一回立ち上がろうという気持ちを伝えたいと思っています。

(フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2020年3月30日号より抜粋