AERA 2020年3月23日売り表紙に山崎育三郎さんが登場
AERA 2020年3月23日売り表紙に山崎育三郎さんが登場

 歌手として、俳優として、山崎育三郎の快進撃が続いている。4月からのミュージカル「エリザベート」東京公演では黄泉の帝王・トート役に挑み、朝ドラ「エール」には歌手役で出演する。AERA 2020年3月30日号から。

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 快進撃が止まらない。今月30日からはNHK連続テレビ小説「エール」に出演。ウィーン発の人気ミュージカル「エリザベート」東京公演では、自身初となるトート(黄泉の帝王)役に挑む。

山崎育三郎(以下、山崎):「エリザベート」では、ミュージカル俳優になる前から最も魅力を感じていたのは「ルキーニ(皇后暗殺者)」で、これまで僕の中では「トート」役を演じるイメージはなかったんです。昨年もルキーニを演じましたが、新たな挑戦をしたいという思いもある中、「次はトートで」というお話をいただきました。ルキーニからトートを演じた役者は、宝塚版を除いたら、東宝版だけでなく世界を見ても一人もいない。そこにすごくわくわくして、ぜひやらせていただきたいと演じることになりました。

 東宝版は他の国と異なり、歌唱のキーが低く設定されています。本来は作曲家がインスピレーションで作ったキーが理想だと思っていて、半音違っただけで作品の印象は変わります。僕は今回トートのナンバーを、作曲家のシルヴェスター・リーヴァイさんが作った原曲のキーで歌わせていただきます。

 東京公演は4月9日から5月4日。新型コロナウイルスの不安はつきまとうが、本番に向けて稽古は進む。

山崎:東日本大震災があった時のことが蘇ります。ちょうど今と同じ帝国劇場の稽古場で、「レ・ミゼラブル」の稽古中に地震がありました。本番がどうなるかわからず不安な気持ちと、ステージに立てることのありがたさ。今回改めてステージに立てることが当たり前でないことを痛感しています。日本が平和であって初めてできるのが僕たちの仕事です。すごく複雑な気持ちはありますが、何よりもお客様も僕たちも健康第一だと思っています。

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