元週刊プロレスの全日本プロレス番記者でスポーツライターの市瀬英俊さんはこう語る。

「新日本が一人勝ちの状況の中、他の団体も新日本とは違う魅力を出したいと思ってやっているが、なかなか世間に届かない。新日本と違うことを普通にやっていてもだめだし、新日本と同じようにもできない。そういう中で高木社長が、誰も気づいていない新しいプロレスの価値観を打ち出すことができるかどうかだと思います」

「すべてのジャンルはマニアが潰す」。2012年に、ブシロードグループが新日本プロレスを傘下に収めた際、社長の木谷高明が口にした言葉だ。これはそれまでのプロレス界にはない価値観だったと市瀬さんは言う。

「古き良きプロレスでもない、木谷氏が打ち出したものでもない、いまのプロレスファンにも、いまは離れているかつてのプロレスファンにも刺さる第三の価値観を打ち出せるかどうか。そこにかかっていると思います」

 高木新社長の手腕に期待だ。(編集部/小柳暁子)

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