カニカマを使った軍艦巻き(写真/筆者提供)
カニカマを使った軍艦巻き(写真/筆者提供)

 年が明けて、寒さがこたえる日々が続いていますね。

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 寒い季節にこたつに入って熱々の鍋を家族で囲む、というのは、典型的な昭和の冬の情景でした。今では生活スタイルの洋風化により、コタツを出す家庭は多くないそうです。ちょっと寂しいですよね。

 ところで、皆さんの一推しの鍋は何でしょうか?

 いろんな鍋があってなかなか一つには絞れない方も多いと思いますが、筆者にとって寒い季節の鍋の思い出は、おでんなんです。

 大きな鍋の中にいろんな具が入っていて、子供の頃、まるで宝箱をあさるように「次は何を食べようか……」と鍋の中を混ぜ返して、母親に怒られたものです。

 地域や家庭によって、おでんの具もいろいろ違いがあり、それぞれにお気に入りの具があると思います。

 よく出汁のしゅんだ(しみた)ダイコンやタマゴ、牛すじなども人気があるようですが、筆者は、ハンペンやゴボ天などの練り物がお気に入りでした。

 練り物の代表的な原料は、太平洋や大西洋の北部に広く生息するスケトウダラという魚です。スケトウダラは鮮度が落ちるのが早く、またその身も脂分が少なくて水っぽいことから、そのまま食べるのではなく、身をすり身にして蒸して練り物に加工して食べるのが一般的でした。

 今では主にトロール船などで取っていますが、比較的深いところにいるため、昔は取るのが大変で、助っ人を大勢呼んで漁をしたことから、スケトウダラと名付けられたという説もあります。

 日本近海でのスケトウダラの漁獲量が近年減少して、練り物の価格が上昇していると言われていますが、それ以外の理由もあります。

 カニカマという食品は皆さん知っていますよね。冷凍したスケトウダラの身を急速に解凍し、もう一度急速に冷凍すると、カニの身のような繊維ができます。この原理を利用して、石川県の会社が作ったのが、カニカマです。

 では、カニカマの消費量世界一はどの国だと思いますか?

 日本と思うところですが、実はフランスなんです。そして2位がスペインです。あの美食の国の人たちがカニカマをそんなに食べているなんて意外ですよね。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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