竹内まりやが初出場の紅白で歌う「いのちの歌」に器の大きさを感じる理由 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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竹内まりやが初出場の紅白で歌う「いのちの歌」に器の大きさを感じる理由

連載「岡村詩野の音楽日和」

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岡村詩野AERA#AERAオンライン限定#紅白
竹内まりや/ワーナーミュージック提供

竹内まりや/ワーナーミュージック提供

「いのうちの歌」/ワーナーミュージック提供

「いのうちの歌」/ワーナーミュージック提供

 そんな竹内が現在のような絶対的な人気を獲得したのは、公私にわたるパートナーである山下達郎と共同作業をするようになってからだ。山下による音楽的サポートを得られたということだけではない。結婚し、家庭を築き、家族や自分の時間を大切にすることで、音楽への関わり方を改めて見直すことになったのだろう。それまでは外部に依頼することが多かった楽曲制作も、スキルをあげながら自ら手がけるようになった。結果、「もう一度」「本気でオンリーユー」などのヒット曲を含む1984年発表のアルバム「VARIETY」は大ヒットを記録。以降のオリジナル・アルバムは発売されるたびに必ずチャート1位を獲得している。

 海外で注目を集めるようになっている竹内の作品は、まさに「VARIETY」の頃の曲だ。とりわけ名高いのが「Plastic Love」だ。「VARIETY」の2曲目に収録され、シングルとしてもリリースされたこの曲は、竹内による作詞作曲で、夫である山下達郎がプロデュース。それまでの竹内の作品に多く見られたアメリカン・オールディーズ調とは一味違う、ファンクやR&Bといったブラック・ミュージックの要素を取り入れた“しゃれた作風”が特徴的だ。

 竹内らしからぬこの曲は、2010年代に入ったあたりから若い世代の間でじわじわと再評価され始める。山下達郎や角松敏生、佐藤博といったアーティストの当時のレコードが中古市場で高値となるなど、主に80年代の日本のシティー・ポップが見直され始めたことも追い風になった。

 2000年代後半になると動画サイトのYouTubeで非公式にアップロードされた「Plastic Love」が口コミで大きな話題となり、素人を含め、世界中で多数のカヴァーやリミックス・ヴァージョンが次々と動画で公開されるに至った。中でも、台湾の女性アーティスト「9m88(ジョウエムバーバー)」によるヴァージョンは、日本の当時の歌番組「ザ・ベストテン」のオマージュのようなPVがユニークだ。


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