一般的にはカツオから作られたものがよく知られていますが、他にも「鮪節」や「鰯節」、「鯖節」などさまざまな魚から同じような節(ブシ)が作られています。

 他の節もそれぞれに違った豊かな風味と旨み、個性がありますので、プロの料理人の方々は、料理に合わせていろんな節を使い分けています。

 また同じ節でも削り方によって出汁の味も風味も変わってきます。奥が深いですよね。

 くら寿司では、うどんやラーメンなどのサイドメニューのために、毎朝、鰹節の他に鯖節、鰯節などを加え、昆布や煮干しなどと一緒に大きな鍋に入れて、一から出汁をとっています。開店前にお店の近くを通っていただくと、出汁のいい香りがすると思います。

 令和元年も残りわずかになりましたが、今年のくら寿司でのお食事の締めに、ぜひ自慢の出汁を使ったうどんを召し上がってみてください。

 筆者のおすすめの食べ方は、最初にうどんを注文して、赤だしの代わりにうどんのスープを飲みながらお寿司を食べることです。シャリの甘みとスープの旨みが、口の中で絶妙のハーモニーを醸し出して、きっと病みつきになると思います。

 少し早いですが、今年もありがとうございました。また来年も、くら寿司と同様、このコラムもよろしくお願いいたします。

AERAオンライン限定記事

◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら