天皇陛下と雅子さまが目を合わせて談笑する姿から、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきた/12月3日、東京・赤坂御所で(写真:宮内庁提供)
天皇陛下と雅子さまが目を合わせて談笑する姿から、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきた/12月3日、東京・赤坂御所で(写真:宮内庁提供)
即位のパレードでは、沿道の歓声を受けて涙ぐむ雅子さまの姿が見られた/11月10日、東京都千代田区で (c)朝日新聞社 (c)朝日新聞社
即位のパレードでは、沿道の歓声を受けて涙ぐむ雅子さまの姿が見られた/11月10日、東京都千代田区で (c)朝日新聞社 (c)朝日新聞社

 12月9日に誕生日を迎えられた皇后雅子さまが「感想」をつづった文書や、ビデオが公表された。ビデオに映るその姿からは、令和という時代を迎えた雅子さまの変化を垣間見ることができる。AERA 2019年12月23日号の記事を紹介する。

【写真】沿道の歓声を受けて涙ぐむ雅子さま

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 今回、文書と共に写真とビデオも公表された。そこでの雅子さまはゴールドの光沢あるスーツを着ていて、とてもよく似合っている。闘病中の雅子さまは、いつも地味な色のパンツスーツを着ていた。今回、輝くような膝丈(ひざたけ)のスカートを着こなす雅子さまに令和になって以来の堂々たる姿が重なり、自信を取り戻しているのだと思う。

 そして平成から令和への変化がはっきり表れたのが、ビデオだった。陛下と雅子さまは、目を合わせておしゃべりをしていた。世代の違いだろう、上皇陛下(85)と美智子さまにはほとんど見られなかった光景だ。

 細かい説明で恐縮だが、全部で2分38秒のビデオのうち1分44秒は陛下と雅子さまがお二人で映っている。そのうちの最後の18秒はそれぞれのアップが映るが、それ以外はお二人が画面に並ぶ映像だ。計算すると1分26秒。その間、お二人は休むことなく話している。

 音楽が流れていて、声は聞こえない。解説によると、「即位の礼の祝宴などで出席者に贈られたボンボニエールや、大嘗祭(だいじょうさい)の関連儀式で飾られた銀製の調度品を前に語らう様子」だそうだから、思い出話に花を咲かせていたのだろうか。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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