小児医療の現場で寄付の呼び掛け増加 クラウドファンディングでドクターカー (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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小児医療の現場で寄付の呼び掛け増加 クラウドファンディングでドクターカー

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深澤友紀AERA
神奈川県立こども医療センターでNICUのリニューアルオープン前に開かれた寄付者への感謝を伝える会。寄付の使い道の説明を受け購入した設備を見学した(撮影/諏訪友理)

神奈川県立こども医療センターでNICUのリニューアルオープン前に開かれた寄付者への感謝を伝える会。寄付の使い道の説明を受け購入した設備を見学した(撮影/諏訪友理)

寄付への感謝の会に集った人たち。子どもがNICUに入院した家族も一緒になって寄付を募り、その輪が広がっているという(撮影/諏訪友理)

寄付への感謝の会に集った人たち。子どもがNICUに入院した家族も一緒になって寄付を募り、その輪が広がっているという(撮影/諏訪友理)

名古屋大学医学部附属病院がクラウドファンディングで募った寄付で装飾されたCT検査室。不安な気持ちで検査を受ける子どもたちが笑顔になるという(写真:名古屋大学医学部附属病院提供)

名古屋大学医学部附属病院がクラウドファンディングで募った寄付で装飾されたCT検査室。不安な気持ちで検査を受ける子どもたちが笑顔になるという(写真:名古屋大学医学部附属病院提供)

 小児医療の現場で、寄付で資金を集めるケースが増えている。寄付金が子どもたちのための医療設備の費用や必要な備品の購入にあてられる。だが、なぜ国の助成金や病院の予算でなく寄付に頼るのか。AERA 2019年12月16日号は、小児医療の実情を取材した。

【写真】クラウドファンディングで募った寄付で装飾されたCT検査室/名古屋大学医学部附属病院

*  *  *
 完成したばかりの新生児集中治療室(NICU)に200人近い人が集まった。9月に生まれ変わった神奈川県立こども医療センターのNICUに寄付をした人たちだ。太陽の光が降り注ぐ明るくて広々とした空間には、それぞれの保育器の横に、リクライニングチェアが置かれている。

 新生児科部長の豊島勝昭さん(50)が参加者へ語り始めた。

「産後のお母さんがゆっくり面会でき、人工呼吸器をつけている赤ちゃんを抱っこしても安全な椅子を選びました。一つ20万円ぐらいの椅子を購入できたのは、みなさんの寄付のおかげです」

 同センターではNICUのリニューアルに向け、2018年3月から寄付を呼び掛けてきた。メールや郵送で寄付申込書を送って振り込みをする従来の方法に加え、クレジットカードでの寄付なども受け付け、この日までに163件、計913万円が集まった。その費用は、リクライニングチェアのほか、入院中や退院後の患者家族が交流できる「家族コーナー」のテーブルセットの購入、NICU内に森の音空間を再現する音響セットの導入補助などにあてた。

「赤ちゃんの命を救うことに加え、赤ちゃんと生きていくご家族を支えたいと思って新しいNICUを作ってきました。病院だけでなく、NICUを卒業した患者のご家族も一緒になって寄付を募ってきて、こんなにも多くの方々に応援していただいていることに感謝でいっぱいです。未来に生まれてくる赤ちゃんをみなさんのお気持ちと共に支えていきたい」(豊島さん)

 小児医療の現場で、寄付で資金を集めるケースが増えている。

 名古屋大学医学部附属病院では今年3月、重症の子どもを搬送する「ドクターカー」の購入とCTやMRIの検査室の装飾、子どもサイズの医療器具の購入のため、ネット上で寄付を募るクラウドファンディングを利用した。目標は2500万円。


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