紀平梨花(きひら・りか)/2002年、兵庫県生まれ。昨季シニアデビューし、GPシリーズ連勝、GPファイナル優勝。世界選手権は4位だった。今季は初戦オータム・クラシックで優勝(撮影/今村拓馬)
紀平梨花(きひら・りか)/2002年、兵庫県生まれ。昨季シニアデビューし、GPシリーズ連勝、GPファイナル優勝。世界選手権は4位だった。今季は初戦オータム・クラシックで優勝(撮影/今村拓馬)

 昨季はトリプルアクセルを武器にグランプリ(GP)ファイナルで優勝し、鮮烈なシニアデビューを飾った紀平梨花。17歳が、今季にかける思いを語った。AERA 2019年10月28日号に掲載された記事を紹介する。

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──昨季のGPファイナル女王として、今季にかける思いは?

 昨季のNHK杯は「初めての挑戦」という気持ちで、緊張しながら何とかトリプルアクセルだけは決めたという感じでした。GPファイナルは、時差ボケがないよう早めに現地入りして、追い込んでから緩めてという練習でのピーキングもハマった試合でした。完璧な状態に持っていけばいい演技ができるという経験をして、自信になりましたし、準備がいかに大切かを感じました。今季は、どの試合も完璧な状態で迎えて余裕のあるコンディションでトリプルアクセルを決めたいです。

──女子も4回転ジャンプの時代に入ったと言われます。4回転の手応えは?

 9月に左足首をけがしてしまい、4回転サルコウをもっと練習したかったけれど、まずはけがを治すことが優先です。トリプルアクセルをしっかり安定させることで、GPファイナルを目指します。

──けがの状態は?

 左足のくるぶしと踵の間のあたり、珍しいところを痛めています。ルッツでアウトエッジ(左側)に乗って跳ぼうとして、ひねりをかける時に痛くなります。ジャパンオープンでは、3回転ルッツを入れたかったので6分間練習の時に跳んでみたのですが、また痛めてしまいました。

──今季はロシアのトルソワ選手が4本の4回転を跳びました。GP初戦となるカナダ大会では直接対決となります。

 ジャパンオープンの翌朝にトルソワ選手の映像を見ました。彼女の4回転は、今季さらに安定感が増していると思います。練習での安定感だけでなく、本番で調整して決める能力、メンタルが強いなと思いました。私も今季はトリプルアクセルの確率だけでなく、本番で合わせることに意識を持っていくことが必要だなと、刺激を受けました。

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