年々、世の中が薄情になっているように感じる、と小島さんは言う。仕事を始めた5年前は、悲しんでいる人や故人を思いやっている人も多かったのに、ドライな遺族が増えたという。

 それでも故人のこと、遺族のことを思い、仕事を続ける。

「もし自分が突然死んじゃったら、すごい不安じゃないですか。ペットを飼っていたらペットが心配だし、賃貸なのに体液で汚してしまったら、誰が掃除してくれるんだろうって。幽霊になってもきっと不安で成仏できない。だから亡くなった人の助けになればという気持ちがあります。姿かたちは見えないですけど、(故人は)どこかで見てると思うんですよね。安心して天国に行ってくれたらいいなと思いながら作業しています」

(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年9月23日号より抜粋