そうこうしているうちに、我々は地域住民から「出町の弁天さん」として親しまれる出町妙音堂に到着しました。お堂周りの庭に草むらがあることを知っていたので、期待を胸に境内に入ります。
草むらをかき分けて探索していると、ついに可愛らしいダンゴムシがひょっこり現れました。
「あっ、ここにも、ここにも!」
不思議なもので、一匹見つかると、次から次に見つかります。
それらを優しく指でつまんで、透明の容器に採取していく子どもたち。みんなのテンションも最高潮です。
その後、鴨川デルタに移動して採集活動の続きを行いました。石をめくったり、土を少し掘り返したりすると、そこには虫の世界が広がっていることを実感します。
また、作業をしていて気づいたのですが、どうやらダンゴムシは日陰になりやすく、土がジメジメしているところに潜んでいることが多いようです。
教室に戻ってからは、今回のプロジェクトで使用する昆虫観察カップを一人ずつに手渡し、その使い方を説明しました。
ぷれりかキッズは真剣なまなざしでカップのレンズをのぞき込みます。
残念ながら、この日は観察の時間を十分に取ることができなかったので、「ダンゴムシを家に持ち帰って飼ってみてはどうか」と提案してみました。
親御さんの中には渋い顔をされる方もいらっしゃいましたが、子どもたちはやる気満々です(笑)
「土が少ないから、もうちょっと足さないと」
「餌に果物もあげてみようかな」
「水も要ると思うで!」
いよいよダンゴムシの探究が本格的に始まります。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。