

「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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「加盟店オーナーはみんな孤独、ただし孤立しないのがローソンの良いところ。これからもここだけは守っていこう」と以前、オーナーの方から言われたことを、この連載で述べました。
ローソンでは、加盟店オーナーのみなさんと本部がさまざまな場で意見交換をし、現場で起きている課題に一緒に向き合い、共に成長することを目指してきました。そうした積み重ねが、「孤立しない」ということにつながってきたのだと思います。オーナーみなさんとのフラットな距離感こそ、ローソンの財産だと自負もしていました。
ただ最近、オーナーの方が第三者機関にご相談するというケースがありました。時代とともに現場も変化し、従来のやり方では、うまく回らないことも出てきている。そして気づかぬところで孤立しているオーナーの方がいらっしゃる。勝手に自負し、本部が至らないばかりにオーナーさんを不安にしてしまった結果と真摯に受け止め、そこに思い至らなかったことを本当に反省しています。
そこで、これまで設けてきた相談窓口に加え、新たに「ローソンオーナーほっとライン」を7月に設置しました。社内と社外に窓口を設け、社外窓口は弁護士事務所の方に対応していただいています。気兼ねなく、自由に思いを伝えられる仕組みになればいいと考えています。もちろん、個人情報も守られます。
社内、社外ともに、すでに電話がかかってきています。こういった窓口に初めて連絡したという方もいらして、今後も利用が進めばと思っています。受け付ける相談内容は、店舗経営に関することすべてです。
コンビニは現場がすべて。今後も慢心することなく、加盟店のみなさんとコミュニケーションを密にし、変化し続けることで、良いお店づくりを目指していきます。
※AERA 2019年8月12-19日合併号