もちろん、包丁や火を扱うのには危険が伴いますから、子どもが料理に慣れてから始めたほうがよいと思います。でも、子どもが「料理をしたい」と言ったときには、その子のなかに「できるかもしれない」という自分自身に対する期待が生まれています。そこで「あなたにはまだ早い」「ダメ」と言ってしまっては、せっかく芽生えた「私にもできる!」という気持ちをつぶしてしまうことになります。

 挑戦する前から親が「できない」と決めつけていたら、子ども自身も、「自分にはどうせ無理」と思うようになってしまうかもしれません。

 もし上手にできなかったとしても、「ほらね。できないって言ったでしょ」なんて絶対に言わないでください。親は、何があっても子どもの応援団長でなければいけません。たとえ失敗したとしても、勇気を出してやってみた、その頑張りを褒めてあげてください。頑張ったプロセスを褒めてもらうと、子どもは次も挑戦してみようと思うはずです。そして、次はどういう風にしたらもう少しうまくいくか一緒に考えてみましょう。

 子どもに「私できる!」の気持ちが芽生えたときを、見逃さないでください。キッチンにふらっと現れたら、チャンス! すかさず「じゃあ一緒にやってみる?」と声をかけてみましょう。きっと、ぱあーっと表情が晴れわたるはず。その顔を想像しただけで、うれしくなりませんか?

【親子レシピ(2)】自由気ままなちぎってサラダ
レタス……好きなだけ
オリーブオイル…大さじ1
リンゴ酢…小さじ1
塩…少々
*オリーブオイル、リンゴ酢、塩はレタスの分量に応じて変更してください。

1.(親)レタスを洗う
2.(子)レタスをキッチンペーパーで拭く
3.(子)レタスをちぎる
4.(子)レタスをボウルに入れる
5.(親)ボウルとは別の容器にオリーブオイル、塩、リンゴ酢を入れて混ぜ合わせる
6.(子)5を4に流し入れてスプーンで混ぜる

(文/武田昌美)

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武田昌美

武田昌美

武田昌美(たけだ・まさみ)/リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。料理を通じて子どもの才能を開花させ、挑戦する勇気・失敗への前向きな姿勢を養うことを目的とする料理教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ2000人以上の子どもに料理の楽しさを教えている。https://little-chef-cooking.com

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