「チリも積もれば山となる」ということわざがあるように、個人投資家などから少額ずつお金を集めて大きな資金に束ね、設定された投資対象にまとめて投資してくれるのが「投資信託」という金融商品だ。
投資信託は、株や外貨、債券、金など、買うものによってさまざまなものが組み入れられている。資産運用の必要性をいち早く感じた人は、株や債券などの投資信託を買うケースが多いが、最近注目なのは「金(ゴールド)」の投資信託だ。
国内金価格が右肩上がりで上昇し、今や1グラム5300円台(2019年7月現在)。金の延べ棒を買うと、手のひらにのる100グラムサイズでも50万円オーバーなので、気軽に買える金額ではなくなってしまった。だが、ネット証券なら投資信託は100円から買えるのである。
■分散投資できるのが長所
投信のメリットは投資のプロであるファンドマネジャーに難しい投資判断などを任せることができること。自分があれこれ投資について考えたり、あくせく取引したりする必要がない。少額で買えるので、投資家がさまざまなジャンルの金融商品に分散投資するときの強い味方になる。
そんな投信にかかるコストには、購入の際に証券会社や銀行といった販売会社に支払う「販売手数料」と、投資をプロに任せる代わりに日割りで支払う「信託報酬」という運用手数料の2つがある。そのほか、売却の際には「信託財産留保額」という解約コストがかかる投信もある。
金を投資対象にした投信の場合、一番高額なものだと、投信を購入する際の販売手数料が投資額の3.24%(税込み)に達するものも。ただしネット証券を使えば、金の投信でも販売手数料が無料のものも多い。
信託報酬は投信によって異なるものの、年率換算で純資産総額の0.27~0.972%程度になる。投信の信託報酬は毎日、日割り計算でかかってくるので、5年以上の長期投資の場合は意外に無視できない。とはいえネット証券で販売手数料無料で購入、信託報酬が年最大0.972%ならコスト面は優秀だ。