


新作ロックミュージカル「FACTORY GIRLS」がこの秋、世界に先駆け日本で初演を迎える。紡績工場で働く二人の女性が自由を求めて立ち上がるストーリーだ。主演は元宝塚のトップスター柚希礼音とミュージカル俳優として注目のソニン。お互い「似ている」という二人の話が弾んだ。
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米国・ブロードウェーの新進気鋭のソングライティングコンビと、日本のクリエイティブチームがタッグを組んだ新作ロックミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」がこの秋、世界に先駆け日本で初演を迎える。舞台は産業革命により近代化が進んだ19世紀半ばの米国・ローウェル。多くの女性が働く紡績工場で出会った、サラ・バグリー(柚希礼音)とハリエット・ファーリー(ソニン)。二人の友情を軸に、自由を求めて闘った女性たちを描く。
柚希:私はありがたくも日本初演の舞台に当たることが多いんです。後で振り返ると、初演は自分にとってとても大切な作品だと気づく。今回演じるサラさんは実在の人物なので、ものすごく気合が入ってます。
ソニン:私は再演から参加することが多いんですが、再演と初演とでは圧倒的に役の作り方が違いますね。再演ではそれまでの役を演じた俳優さんのイメージをお客様が持っているので、それとどう向き合うかを考えますが、オリジナルは自分のカラーを出せる。もちろん海外作品であればそちらを参考にしますが、「自分が作り上げる」という気持ちが本当に強いです。
柚希:なんだか私の役も助けてもらえそう(笑)。私は実在の人物を演じる時は、いろんな資料を集めたり読んだりしながらその人を理解していきます。そのうち、自分がその人の一番の味方のようになる。サラさんは女性の権利を求めて、労働争議を率いた女性。「彼女はこのことを多くの人に言いたいんだ」って思えるようになっていくことが自分でも楽しみです。
本作は、現代的な課題である「女性の働き方」が一つのテーマとなっている。
柚希:働き方は本当に重要ですね。舞台ですごく力を出したいのに、自分自身が空っぽで何も出ないという経験を私もしたことがあり、その時のつらさといったらありません。自分を追い詰めるまで働いてはいけない、ということを身をもって感じました。芸事の世界では、寝る間も惜しんで努力はすべきですが、しっかり寝て蓄えて、自分がハッピーであることが大切。だからこそ、お客様に伝えられるものがあります。