山形、新潟を襲った最大震度6強の地震で改めて地震への備えが叫ばれる。注目したいのが全国の活断層の危険度ランキング。危ない断層は、ここにある。
【2019年に危ないのは?政府が発表した地震予測地図はこちら】
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新潟・山形地震の震源を含む一帯の「日本海東縁ひずみ集中帯」をはじめ、地震の発生源として最も警戒されている南海トラフなど、これらの大規模な「地震源」に加え、警戒が必要なのが全国に散在する活断層だ。
経済産業省系の独立行政法人、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)はホームページ上で、全国の活断層について詳しくまとめた「活断層データベース」を公開している。
注目したいのは、今後30年間に、おおむねM7程度かそれ以上の地震が起きる確率を示した「将来活動確率TOP30」というランキングだ。全国の活断層のうち、平均活動間隔と、直近の活動時期の二つの情報が入手できる185の断層について、「BPT分布モデル」という方式で、それぞれの断層で最大規模の地震が起きる確率を割り出している。主に陸地にある断層に注目しているため、海底のくぼみで起きる東南海・南海地震などは対象外だ。
確率が高い断層の上位には、長野県の牛伏寺断層(25%)、和歌山県、奈良県の五条谷断層(16%)、神奈川県の衣笠断層(13%)などが並ぶ。データベースが更新された15年8月時点で12位(6%)に入っていた熊本県の布田川断層は、翌年4月に起き大きな被害を出した熊本地震の震源となっており、ランキングの「的中率」は無視できない。
トップ30に入った断層を詳しく見ていこう。
3位の衣笠断層、4位の北武断層、7位の武山断層は人口約40万人の横須賀市内を通り、14位の府内断層は人口約48万人の大分市の中心部にある。21位の円田─坪沼断層は政令指定市の仙台市近くを走り、29位の函館西断層は外国人観光客も多い北海道函館市のすぐ西を南北に貫く。これらの断層では、都市直下型の強い地震に警戒が必要だ。
原発の近くにも、危険な活断層はある。19位の椿坂峠断層は、福井県の敦賀半島のすぐ対岸を走っている。敦賀半島は、日本原子力発電敦賀発電所、関西電力美浜原子力発電所、高速増殖炉「もんじゅ」が集中する「原発銀座」だ。5位の石動山断層は、志賀原発(石川県)がある能登半島を走る。