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キーワードは「使途・成果の見える化」 大学にもクラウドファンディングの波

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澤田晃宏AERA
【東京藝術大学学長】澤和樹さん(64)/現在、藝大生を見守り続けた正門を再生させるCFに取り組んでいる。リターンの一つはヴァイオリニストでもある澤学長のコンサートへの招待だ(撮影/編集部・澤田晃宏)

【東京藝術大学学長】澤和樹さん(64)/現在、藝大生を見守り続けた正門を再生させるCFに取り組んでいる。リターンの一つはヴァイオリニストでもある澤学長のコンサートへの招待だ(撮影/編集部・澤田晃宏)

日米・寄付額 上位5大学(AERA 2019年5月13日号より)

日米・寄付額 上位5大学(AERA 2019年5月13日号より)

 国からの運営費交付金の削減で、代わりに期待されているのがクラウドファンディングによる寄付収入だ。九州大学などの国公立をはじめ、私学の雄・慶応も動き出している。

【日米・寄付額 上位5大学はこちら】

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 九州大学応用力学研究所教授の竹村俊彦さんは、自ら開発したPM2.5の予測システム「SPRINTARS」をボランティアで運用し、その情報をホームページに公開してきた。2013年に中国の大気汚染が広く報道され、情報を必要とする人が一気に増えた。PM2.5の影響が強い季節には予測情報サイトへのアクセスは1日10万件を超え、予測情報はテレビなどでも使用されている。

 しかし、本来の研究活動の傍らでの継続運用は難しい。そこで頼ったのがクラウドファンディング(以下CF)だった。CFは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。竹村さんはこう話す。

「言い方は悪いですが、私自身だけの問題であれば、やめてもいい。ただ、必要な人がいるのだから、受益者負担で続けていこうと思いました。別の担当者をトレーニングするためなどにかかる費用30万円を募り、わずか3日で集まりました」

 国公立大学を中心に、研究者ではなく、学校としてCFに取り組む大学が増えている。背景に厳しい財政事情があるからだ。

 国から国立大学への運営費交付金は法人化以来、年々削減されている。国立大学が法人化された04年度は1兆2415億円だったが、18年度には1兆971億円まで減少。科学研究費も分野が限られ、成果の見えやすい研究に予算がつきやすく、自由な研究には回りづらい。そこで各大学が自由な外部資金として期待するのが寄付金だ。歴史的背景が違うとは言え、日本の大学への寄付額はアメリカの大学の10分の1だ。

 CFサイト最大手のレディーフォー(東京都文京区)は現在、九つの大学と提携している。その先駆けが17年1月からCFを始めた筑波大学だ。これまでに立ち上げた12のプロジェクトはすべて目標額を達成し、寄付総額は6688万2千円に上る(19年4月10日時点)。

 同大では11年から寄付金集めを本格化。三井住友カードと提携し、カード利用額に応じた手数料の寄付を受ける「筑波大学カード事業」などの取り組みを行うが、最も好調なそのカード事業でも年間の寄付額は約180万円程度。事業開発推進室の山田哲也室長は、


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