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子どもの好奇心に火を付ける 街や河原が教室の「探究塾」とは?

連載「探究堂日記」

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山田洋文AERA#AERAオンライン限定#教育
授業では、まずはじめに子どもたちが石について知っていることや思いつくことを確認する(写真/筆者提供)

授業では、まずはじめに子どもたちが石について知っていることや思いつくことを確認する(写真/筆者提供)

ゴーグルと軍手を着用し、ハンマーで石を割る姿はまるで小さな研究者のよう(写真/筆者提供)

ゴーグルと軍手を着用し、ハンマーで石を割る姿はまるで小さな研究者のよう(写真/筆者提供)

 色、模様、形、手触り、硬さ、割れ方……。最初は漠然とひとまとめにしてしまっていた「石ころ」もそれぞれに違った特徴が見えてきます。

 拾ってきた石を見つめる子どもたちの視線は真剣そのもの。ゴーグルと軍手を着用し、ハンマーで石を割る姿はまるで小さな研究者のようです。

 専門書を参考にしながら、採集した石を科学的に分類することにも挑戦します。絵本や資料を読み込むなかで、石の成り立ちに関する謎が一つまた一つ明らかになっていくのはワクワクドキドキする時間です。

 こうして知識と体験がつながることで、長い年月をかけた大地のメカニズムが見えてくるのを実感します。

 プロジェクトの総仕上げは「石ころ新聞」と「石の標本箱」の製作です。自分の一番のお気に入りの石について、これまでの実験や観察で学んできたことを新聞形式にまとめていきます。彼らのこだわりが発揮された石の標本箱は、どれ一つとして同じものはありません。

 プロジェクトの最後を締めくくる発表会には、他のクラスの生徒や保護者の方々が毎回十数人程度参加してくださっています。慣れない人前での発表に、最初は少し緊張の面持ちが見られますが、その様子を皆さん温かく見守ってくださっているのが印象的です。

 石に関する知識もさることながら、何よりも生き生きと「石ころ」について語る子どもたちの姿はとても立派ですよ!

 3カ月に及ぶプロジェクトはこれにて終了です。ちなみに探究堂に通ってくれているある女の子は、『石ころ物語』への参加をきっかけに鉱物への興味に目覚め、「石ころ博士」を目指すべく、現在も個人探究を続けているそうです。

 いかがでしょう。探究堂で子どもたちが学ぶ様子をイメージしていただけましたか? 「まち全体を学びの場」として捉える探究堂の雰囲気が読者の方に少しでも伝わったのであれば幸いです。

 今後この連載では、探究堂での学びの様子や私の気づきを発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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山田洋文

山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。

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