登山はまったくの素人だったが、日本でトレーニングを積み、ガイドを雇ったり登山隊に参加したりとあらゆる方法を探りながら挑戦を続けてきた。積み重ねたトライは19山で20カ国(モンブラン山頂はフランスとイタリアの国境にある)。そのなかには、各大陸の最高峰や登頂の難しさで知られる山もある。

 南米最高峰アコンカグアや西ヨーロッパ最高峰モンブランでは、2度目の挑戦で「トライ」できた。モンブランでは同宿だった日本人男性が行方不明になる遭難事故があり、心が揺れた。ニュージーランドのクック山では2メートル近いクレバス(氷の裂け目)を飛び越える際、アイゼン(登山靴に取り付ける、金属製のツメが付いた用具)が足に刺さってヘリで搬送された。

AERA 2019年4月15日号