座り過ぎ防止に力を発揮するのが、立ったまま仕事ができるスタンディングデスクだ。近年、多くの企業で導入する動きが出てきた。個人向け名刺アプリ「Eight」などのクラウド名刺管理サービスを提供している「Sansan」(東京都渋谷区)は、2016年から生産性の向上を目的に電動昇降デスクを導入。希望者には貸与し、デザイナーやエンジニアなどの開発メンバーを中心に全社員の3割近くに当たる約140人が利用している。1日に3~4時間、立って仕事をするというエンジニアの石畑翔平さん(30)は言う。

「ずっと座って仕事をしていると腰が疲れてくるので、姿勢を伸ばしたい時にスタンディングデスクとして使っています。集中して仕事ができ、気分転換にもなります」

 スタンディングデスクの効果について岡教授は言う。

「立って動くことで、腰痛や肩こりが軽減されるなど体調面が改善される。それに加え、仕事にメリハリがつくので生産性も上がり、社員同士のコミュニケーションも深まるなど、座り過ぎによるマイナス面が解消されます」

 新年度がスタートした。座る時間が増える人も多いだろう。新生活を機に、座り方を見直し元気で健康な生活を送りたい。(編集部・野村昌二)

AERA 2019年4月8日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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