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初代クイーン世代女子の“怨念”がブーム再燃の原動力

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11月24日、フレディの命日にシンコーミュージックのビルで緊急開催された追悼イベントで、参列者に配布された記念ポストカード(撮影/品田裕美)

11月24日、フレディの命日にシンコーミュージックのビルで緊急開催された追悼イベントで、参列者に配布された記念ポストカード(撮影/品田裕美)

 映画は、世代も性別も超えて絶賛する声が多い。元「ミュージック・ライフ」編集長の東郷かおる子さん(70)は「名画かどうかは分からないけれど、いい映画であることは確か。あれだけの観客を動員しているんだから」と言う。

 ドキュメンタリーとは違う、この高揚感は歌舞伎の忠臣蔵にも似ている。史実がベースだが現実とは異なる物語の世界。だが、伝わってくる感情は本物だ。

 晩年のフレディは病に侵されながら、命の限りを音楽に捧げた。死期が迫るなかでビデオに収録された、おそらく最後のインタビューをこう結んでいる。

「僕にとって一番大切なことは幸せでいること。自分で犯した過ちは自分で償うしかないんだ。自分らしく生きるまでさ。残された年月をできるだけ生き生きと楽しく過ごそうと思う」

 クイーンの黄金期を知らない世代が映画に涙し、ライブに胸躍らせているのは素直にうれしい。美形の若きロジャー・テイラーにときめき、似顔絵を描いたり、写真を集めたりする女性たちは昔の私たちにそっくりだ。

 このブームはいずれ去る。それでもいいのだ。クイーンは人の心の奥底で生きる力を与えてくれる。少女のころ、周りに理解されなくても、愛し続けた私たちに、彼らの音楽がずっと寄り添ってくれていたように。(ライター・角田奈穂子[フィルモアイースト])

AERA 2018年12月17日号より抜粋


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