だが、夫側から意外な意見も聞いた。2歳の子を持つ30代の会社員男性は、自分が家事・育児をかなりやっていることを口外したところ、「妻の肩身が狭くなった」というのだ。ダブルス型家事・育児の最大の壁は、「世間の目」や「固定概念」かもしれない。

 この壁が立ちはだかるのが、共働き家庭の家事・育児負担を減らす切り札でもある「外注」だ。6歳と9歳の子を持ち、講師業やイベント企画などの仕事をする北海道の40代の女性は、散らかる家にイライラし、家事代行を依頼した。ところが夫は、他人が家に入って片づけたことに激怒。家事の外注は「恥ずかしいこと」という固定概念が夫にはあるようだという。

 だが、意識は確実に変わりつつある。家事代行サービス「タスカジ」の担当者は言う。

「家事代行を扱ったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のあたりから『家事代行頼んでみたんだ!』とSNS上でも書けるほど、明るく話せる話題に変わってきている」

 共働きだけでなく、専業主婦家庭からの依頼も増えているという。バロメーター表作成では、そんな外注への意識を夫婦ですり合わせることも大事。表には「妻」「夫」だけでなく、外注など「第三者」が担うパーツも書き込んでもいい。

 外からの手も借り、その家庭の最適な方法を見つけることだ。(フリーランス記者・宮本さおり)

※AERA 2018年10月29日号より抜粋