高騰を続ける新築マンションはもはや「高値」の花だ。五輪が終われば下がるというのも、どうやら都市伝説のよう。でも大丈夫。中古がある。憧れのあの駅も、中古ならまだまだ手が届く。新築と中古の価格差が大きい「中古が狙い目」な駅は、ここだ。
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「もう600万円以上も払ってるんだ……」
都内の住宅関連企業に勤務する日向由佳さん(36)は、東京・神楽坂の賃貸マンションに住んで5年になる。払った家賃の総額は想像以上で、「これならマンションの頭金にすればよかった」と悔しがる。これまでは将来結婚する人と一緒に考えよう、ローンも一緒に組めばいいかと考えていたが、「不確定要素」を前提にしていたら、どんどんお金が出て行くばかり。
「来春までに絶対にマンションを買おうと決めました」
場所は、静かで気に入っている神楽坂付近。間取りは友達が呼べる1LDKは欲しい。だが、相場を調べてみると、新築だと4500万円以上もする。
「さすがにこの金額のローンは組めない。2千万円台後半から3千万円台前半の中古マンションに狙いを絞りました」
駅からの距離を徒歩10分以上に妥協すれば、希望にかなう物件がありそうだ。管理がしっかりした物件を選び、リフォームしていけば資産価値は落ちにくいと考え、毎日、物件サイトを眺めているという。
新築の価格高騰を背景に、中古マンションが注目を集めている。不動産経済研究所によると、2018年上半期に首都圏で売り出された新築マンションの平均価格は5962万円。東京23区内に限ると、7059万円。一般的な会社員ではとても手が出ない。主な原因は、地価上昇や慢性的な人手不足。特に20年に開催される東京五輪関連工事の影響などで、人件費や資材費が高騰していることが背景にあると指摘される。
一方、同研究所と東日本不動産流通機構によると、17年の首都圏の新築マンションは平均5908万円だったのに対して、中古は3195万円で2713万円も安い。その結果、同年の首都圏の契約戸数でも、新築マンションが3万5898戸だったのに対し中古は3万7329戸で、2年連続で新築を上回った。