秋山:「悪意を感じない」ってよく言われるんですけど、ちゃんと見てる? お前のことやってるぜ、ってことありますよ。

友近:私も。悪意のあるネタでもなぜかお客さんが好感を持って見てくれるんです。まぁでも、ヘンな人のネタをやるときもバカにしてるわけじゃないから。

秋山:友近さんがずっとやってる西尾一男も、ああいう系統のおっさんをバカにしてるわけじゃないですもんね。

友近:そう、好きなんです。街ロケのときもヘンなおっさんに近寄っていったりしますから。

秋山:俺も行きます。ずっと空中に話しかけてる人に話しかけたら、こっちがやべえやつみたいに警戒されたことも(笑)。

──人に対する根っからの好奇心も人物像を深く掘り下げて演じられる鍵になる?

友近:それはあるかも。こないだも松山に行ったとき、仕事終わりで一緒に道後のストリップ劇場に行きましたよね。

秋山:あれはヤバかったです。すぐ脱いじゃうと時間が持たないから、チャップリンみたいな格好してひたすら同じポーズで繋いでる踊り子さんがいて。笑っちゃいけないけど、腹の中でここ何年かで一番爆笑しました。

友近:でもそれもまた哀愁があって愛しいんですよ。終わってお話をする時間ももらってね。脱がずしてこの空気感を出せるネタはできないか。ハンドストリップとか……(と、指で表現)。

二人:(爆笑)

秋山:ピンクの照明を当ててね。

友近:日々、こんなことばっかり考えてるんです(笑)。

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2018年10月15日号より抜粋