東京を「脱出」し、飲みの2次会は諦めたけど手に入れたものは (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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東京を「脱出」し、飲みの2次会は諦めたけど手に入れたものは

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古川雅子AERA
移住してみて変わったこと、変わらなかったこと[AERA 2018年10月8日号より](撮影/今村拓馬)

移住してみて変わったこと、変わらなかったこと[AERA 2018年10月8日号より](撮影/今村拓馬)

移住してみて変わったこと、変わらなかったこと[AERA 2018年10月8日号より](撮影/今村拓馬)

移住してみて変わったこと、変わらなかったこと[AERA 2018年10月8日号より](撮影/今村拓馬)

 東京から「脱出」し、地方で暮らすことを選んだ人がいる。自然に囲まれた生活は憧れるが、現実はどうなのだろうか。東京からの地方移住を決めた人、東京と地方の2拠点ライフを実践する人を取材した。

【移住してみて変わったこと、変わらなかったこと】

*  *  *
 2年前、二階堂美和子さん(37)は海辺の町に憧れて逗子に引っ越した。移り住んだ自宅の窓からは海が見え、ない──。

「現実は、海へ近づくほど家賃の相場は高くなる。海が間近に見えようものなら、都心の一等地並みの家賃になりますから」

 それでも手に入れたかったのは、「海がそばにある暮らし」だ。家から海までは歩いて7分。日が沈む頃、夕日を眺めに浜辺に繰り出す。日没直後のわずか数十分しか訪れない「マジックアワー」が狙い目だ。薄明かりの空がピンクに紫に、ドラマチックな色彩の変化を見せる。

「こっちで暮らしていると、心が安らぐ。時々、あー東京行くの億劫(おっくう)だなと思うぐらい、ゆっくりした時間が流れています」

 西新宿のマンションに夫、隆洋さん(27)と住んでいた。歌舞伎町のスポーツジムに通い、高層ビルの間を抜け都庁前の公園を散歩したり、自転車で伊勢丹新宿店に買い物に出かけたり。何不自由ない生活だった。「ド都市」暮らしを1年ほど満喫した頃、逗子に住む会社の元同僚宅へ遊びに行った。サーフボードやウェットスーツが家の軒先にある海辺らしい街の雰囲気に、すっかり魅了された。その場で隆洋さんに電話を入れた。「逗子に引っ越そう!」と。

美和子さんが勤務する不動産会社「アールストア」(品川区)からの通勤時間は片道1時間10分。逗子は湘南新宿ラインの始発駅で、勤務先の隣駅の恵比寿まで乗り換えはない。また、10分おきと本数の多い横須賀線なら、出発の5分前までに増結する列車の前に並んでおけば、都心まで座ったままだ。ただ、帰路は横浜あたりまで30分は立ちっぱなし。時々、「家まで遠いなぁ」と感じることもある。

楽しみとしての「東京ライフ」を完全に手放してはいない。会社の後輩からは今も言われる。「二階堂さんは誰よりも付き合いのいい既婚者」だと。


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