ハリー王子と手をつなぎ、第1次世界大戦終結から100年を記念するコンサートに出席したメーガン妃。8月下旬には1人でカナダ・トロントに飛び、親友のセレブスタイリスト宅で3日間を過ごしたが、「今、会いに行くべきは父親ではないのか」との声が上がっている(写真:gettyimages)
ハリー王子と手をつなぎ、第1次世界大戦終結から100年を記念するコンサートに出席したメーガン妃。8月下旬には1人でカナダ・トロントに飛び、親友のセレブスタイリスト宅で3日間を過ごしたが、「今、会いに行くべきは父親ではないのか」との声が上がっている(写真:gettyimages)

 英王室の新メンバー、メーガン妃の実家問題に終わりが見えない。父親トーマスの口撃の矛先は英王室にも向かう。「第2のダイアナ妃問題」にも発展する様相を呈してきた。

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 メーガン妃(37)の父トーマス・マークル(74)が結婚式直前、パパラッチに協力して撮影された「やらせ写真」は世界に配信された。ハリー王子(34)は電話で「メディアに関わらないようにと私はアドバイスしたはずだ」と厳しく批判したが、トーマスは一方的に電話を切った。しかも「心臓手術で入院中の患者にかけてくる内容ではない。失礼にもほどがある」と強気だ。

 かと思うと、「花嫁の父」として結婚式でスピーチできなかったことを「つらかった」と嘆く。「英王室は秘密の多いカルトのよう。もっとオープンであるべきだ」と、怒りの矛先を王室にも向けている。

 頻発するトーマスの問題発言に、英王室は危機感を募らせる。王室内の危機管理委員会が3度ほど開かれ、エリザベス女王(92)らが対策を練っているとされる。具体案として(1)発言がやむまで放置する(2)仲介者を立てて説得する(3)メーガン妃がメキシコを訪れて父親と話す、などが挙がったが、いずれも後手に回り実効性に乏しい。

 トーマス問題は英王室で「第2のダイアナ妃問題」とささやかれている。ダイアナ妃は離婚後、「チャールズ皇太子は国王の器ではない」「女王にあれこれ訴えたのに、助けてくれなかった」などと英王室を遠慮なく批判した。王室の品位を汚す発言をする人を女王は最も嫌う。

 ただ、父娘の確執は根深い。2011年、メーガン妃と前夫の結婚式には、母親のドリアは出席したが、トーマスは招かれなかった(本人は出席を主張)。因縁は、かつてメーガン妃が異母姉サマンサとの縁を切ってほしいと父親に頼んだところ「私には2人の娘がいる。愛情は同じだ」と断られた時から始まったとも言われる。

 トーマスの怒りと妬みは、これからますますエスカレートするといわれている。

 ハリー王子との結婚式にも、メーガン妃側の親族として唯一出席したドリアはこの夏、オックスフォードシャーにあるハリー王子とメーガン妃のコテージに滞在し、父との確執に悩む妃の相談相手になった。ドリアは現在、米ロサンゼルスでベビーケアを学んでおり、メーガン妃から孫育てを依頼されたとみられている。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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