ハリー王子は義母のためにケンジントン宮殿から徒歩約10分のマンションを用意した。ロンドン中心部のハイドパークからほど近い高級住宅街にあり、寝室を四つ備える。物件価格は約4億円。「今後の生活費や護衛費用も税金で払うのか」などと非難もあるが、ドリアのこの秋の移住は揺るがない。

 なにかと騒がしいメーガン妃周辺と対照的なのが、ウィリアム王子(36)の妻キャサリン妃(36)だろう。4月に第3子ルイ王子を出産したキャサリン妃は、恒例の夏休みを一家そろってカリブ海の島で過ごし、父母、妹夫妻、弟など実家ミドルトン家の面々も同行した。

 とはいえ、妃と実家の関係が良好でも、万事OKといかないのが英国流だ。10月12日に行われるエリザベス女王の次男、アンドルー王子(58)の次女ユージェニー王女(28)の結婚式に、キャサリン妃が欠席の意向を示して波紋を広げている。自身の出産のとき献身的に尽くしてくれた妹ピッパ(35)の初産に付き添うためだが、「女王の孫娘でウィリアム王子のいとこにあたるユージェニー王女より、実家を優先させるのか」と批判の声が上がる。

 疎遠でも蜜月でも、孫妻の実家問題に女王は悩まされているようだ。(文中一部敬称略)(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2018年10月1日号

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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