迫りくる水、布団を積み上げ“避難”…大水害の被災者が恐怖語る (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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迫りくる水、布団を積み上げ“避難”…大水害の被災者が恐怖語る

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川口穣AERA

※イメージ写真

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 25年ぶりに「非常に強い」勢力で関西地方に上陸した台風21号、北海道で起きた最大震度7の地震、西日本に甚大な被害を残した豪雨――。今夏は日本列島で自然災害が猛威を振るった。最も大切なのは「命」と「ライフライン」、そして生活を立て直すための「資産」だ。

*  *  *
 目を覚ましたのは、午後11時40分ごろだった。女性(78)が何げなく布団の際に手を置くと、水に触れる感覚があった。

「ちゃぷちゃぷしおって、冷たくて。これは普通じゃないと、飛び起きました」

 すると、みるみるうちに5センチ、10センチと水位が上がってきた。

 夜10時ごろにも、「なんとなく空気がザワザワする感じ」がして一度目を覚ましたというが、雨が降っている以外は特に異変は感じなかった。

 今年、7月6日。女性が暮らす岡山県倉敷市真備町では前日から降り始めた雨が断続的に降り続いていた。倉敷市の降り始めからの雨量は、6日24時の段階で211ミリ。6月の月間雨量の平均値を大きく超える猛烈な雨だった。

 とっさに考えたのは、別の部屋で寝ていた夫(83)のことだった。夫は足腰が悪く、自力での避難は難しい。女性は夫の部屋へ行こうとするが、すでに床上30センチまで浸水。水圧でドアを開けることができなかった。

 部屋中を歩き回り、何とかガラスサッシを開けることができて外へ出る。屋外はすでに、小柄な女性の、胸のあたりまで水が来ていたという。女性は、別の出窓から這い上がって夫の部屋へ入った。

 夫は畳の上にベッドを置いて寝ていたが、そのベッドも水に浸かりかけていた。もはや211階への移動は難しく、二人でベッドの上で「避難」する。

「最初はベッドの上に布団を四つ折りにして、そこに座った。でも水はどんどん上がってきよるから、今度は枕を重ねて、その次は水に浮いていた器具やら何やらを置いて。それでも心臓あたりまで水が上がってきて、もうだめだ、と思いました」


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