竹増貞信「ふるさとで培われた自律的な意識」<コンビニ百里の道をゆく> 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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竹増貞信「ふるさとで培われた自律的な意識」<コンビニ百里の道をゆく>

連載「コンビニ百里の道をゆく」

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竹増貞信AERA#竹増貞信
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

自然や歴史を楽しめる池田城跡公園も、市民にとって大切な場所です

自然や歴史を楽しめる池田城跡公園も、市民にとって大切な場所です

「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

*  *  *
 私は大阪府池田市出身で、生粋の関西人です。思考や味覚も完全に関西人。話にオチはつけたいし、うどんのつゆは絶対に薄口派です。

 実は5月に池田市観光大使に任命されました。私は生まれてから大学卒業までの23年間、ずっと池田市で育ちました。しかも幼稚園から大学まで自宅から一番近い所に通ったので、通学は徒歩か自転車。上京するまでほとんど電車にも乗らない生活でした。

 池田市は城下町の薫りを残しつつ、市内には猪名川という大きな川が流れ、五月山という壮大な山がそびえる自然豊かな町。夏は池田市民カーニバルでサンバを踊り、花火を楽しみました。五月山で虫を捕って、猪名川でコイやフナを釣り、近くの水月公園で亀をつかまえるなど遊び場には困りませんでした。

 昔はそこらに田んぼがあり、手作業で田植えを手伝っていました。泥だらけで苗を植えたり、収穫した稲わらで団子を焼いて食べたり。遠足で行った隣町の山には猿がたくさんいて、食べ物を取ろうとするので、なぜか僕たちがおりに入って弁当を食べるという面白い経験もしました(笑)。こうした原体験があるので、今でも山や田んぼに囲まれると心が落ち着きます。

 一方で、町のシンボルとして池田城址があり、駅前には巨大な「ダイエー」が、商店街には映画館やゲームセンターがそろい、大人の社会を学べる場でもありました。最近は寄席もできたそうです。通っていた学校は校風も自由で、勉強も、スポーツも、遊びも自己責任。高校は制服もありませんでした。逆に、授業の出席日数も勉強も、自分で計画を立てないと誰も助けてくれない。寛容な町の雰囲気と自由な校風があいまって、自分が動かないと何も変わらないという自律的な意識が培われたように思います。

 国土が狭い日本で、地方にこれだけ多様な文化があるのは貴重な財産です。私たちも、常に地方文化を大切にして、地元に根差したビジネスを心がけていきます。


AERA 2018年10月1日号


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