札幌市で唯一、震度6弱を記録した東区では、市営地下鉄沿線の道路で陥没や噴砂が相次いだ。地下に軟弱な泥炭がある地域だという。「揺れが増幅して埋め戻した砂が液状化した」と石川さんはみる。前日の台風による雨で地下水位が上昇していた可能性もあり、「複合的要因では」と説明する。

 今回の地震は、すぐ西を走る主要活断層の「石狩低地東縁断層帯南部」と関係はあったのだろうか。千歳市から厚真町などの沖合海域まで南北54キロ以上あるこの断層帯が一度に動くと、M7.7程度以上の規模になるとされている。地震調査委は、現在考えられている断層帯が動いたとは見ていないが「関係を慎重に調査する」という。

 ただ、「危ないのは活断層」という考えは間違いだ。活断層とは、過去に繰り返し地震を起こして地表にその跡が残り、将来も活動すると考えられる断層だ。「地震が起きやすい場所」とは言えるが、ここだけで大きな地震が起きるわけではない。政府は活動度などを考慮し、全国114の活断層を評価しているが、地表に跡を残さない地震は多い。地震調査委の平田さんは「活断層だけでなく内陸ではどこでも地震が起き、震度7になることはある」と警鐘を鳴らす。今回がまさにその例だ。(朝日新聞記者・小林舞子)

AERA 2018年9月24日号