「資本市場は長期的にみると環境問題や社会問題の影響から逃れられないので、こうした問題が最小化されて社会全体が持続可能になることが、長期の投資リターンを追求するうえでは不可欠と考えています」

 JSIF(日本サステナブル投資フォーラム)が実施した17年9月の調査では、国内を拠点とする機関投資家のサステナブル投資合計額は前年比2.42倍の約136兆円と急速に伸びた。

 企業がCSR(企業の社会的責任)の文脈で、売り上げの一部をNPO(非営利団体)などに寄付をする時代から、企業活動そのものが、あらゆる意味で「Sustainable(持続可能)」な社会に貢献する活動でなければ生き残れない時代になった。市民社会が提唱してきた「持続可能」という概念の尊さを、グローバル市場が認識し受け入れた結果である。(編集部・中原一歩)

AERA 2018年9月10日号より抜粋