──アルバムの「Future」というワードで、Perfumeの3人が想像する未来の音楽や社会の未来図もあると思うんですが。

あ~ちゃん:これからテクノロジーと合わせてやっていくと実現できることが増えると思うんです。それってデジタルな仕事で、人が関わってなくてさびしいように感じるかもしれないけど、実はひとつひとつすべて人の手が関わってる。だから、私たちはテクノロジーってすごくあったかいものだって感じてるんです。照明も音もLEDもレーザーもすべて、「スタンバーイ、ゴー!」っていう人がやってるからこその息遣いがある。人と人とのアナログな思いが詰まったものは、これから逆にどんどん増えていくと思います。

──「テクノロジーがあたたかい」って発想はすごいですね。

あ~ちゃん:制作の過程を近くで見てるからこそでしょうね。何百人もの手が入って、何百時間も使って、ようやく作られたひとつの光。なんてあたたかいんだ、って思うんです。

──毎年の「NHK紅白歌合戦」でも、いろいろ斬新な冒険を楽しませてもらってるんですけど、作品を与えられるだけの存在じゃなく、物を作ることへの好奇心の塊としてPerfumeがあり続けているのはなぜなんでしょうか?

のっち:私たち3人の力ってそれほどでもなくって、周りが本当にプロフェッショナルな人たちで、思いもつかないようなことを提案してくれる。そのおかげで自分たちがPerfumeに飽きずにいられるし、私たちも自分に期待できるような環境をつくってもらってるんです。

かしゆか:Perfumeってものがこの3人だけだと思ってないんです。中田さんしかり、振り付けのMIKIKOさんしかり、スタッフみんなでPerfumeを作ってる。そのみんなが自分たちのパートをよりよくしたいという探究心がすごいし、「もっとよくできる」って思ってるんです。

あ~ちゃん:テクノロジー担当のライゾマティクスの方たちも、本当に私たちのファンでいてくださってて。だからこそ普通の人にはできないようなマニアックな演出ができているんだと思います。でも、ライゾマさんたちって、私たちが挨拶しに行くとみんなPerfumeTシャツ着てて、もじもじして何も話せない、みたいな感じで(笑)。

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